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便秘薬の落とし穴!? 毎日使うと便秘が悪化する危険性や注意点を医師が解説

 公開日:2025/02/21

便秘薬を選ぶときは、効果だけでなくリスクも確認が必要です。刺激性便秘薬は即効性がありますが、使いすぎると腸の働きが弱くなりがちです。一方、非刺激性便秘薬は毎日使えますが、効き目がゆっくりです。便秘薬の種類や選び方のポイントについて「天白宮田クリニック」の宮田先生にお聞きしました。

編集部編集部

便秘薬を選ぶ際の注意点について、詳しく教えてください。

宮田 雅弘先生宮田先生

便秘薬の中で最も一般的かつ、種類が多いのは刺激性便秘薬です。即効性があるものが多く、効き目を実感しやすいというメリットがありますが、その反面、お腹が痛くなることがあります。また、ずっと使い続けることで、ますます腸の働きが鈍って便秘がひどくなることもあります。その結果、どんどん薬の使用量が増えてしまいがちです。

編集部編集部

非刺激性便秘薬には、どのような注意点がありますか?

宮田 雅弘先生宮田先生

酸化マグネシウムなどマグネシウムを含む下剤はお腹が痛くなりにくく、癖になりにくいというメリットがあります。しかし、その一方で効き目が出るまでに時間がかかるというのがデメリットと言えるでしょう。

編集部編集部

それでは、刺激性と非刺激性はどのように使い分ければいいのですか?

宮田 雅弘先生宮田先生

刺激性は、いざという時のレスキューのようなもので、決して毎日使用するものではありません。反対に、非刺激性は毎日服用することで、自然に近い形で便秘を解消する薬です。そのように使い分けるのがいいと思います。

編集部編集部

お腹が痛くならないよう、ハーブや漢方薬などを使うことはできますか?

宮田 雅弘先生宮田先生

ハーブや漢方薬だからといって、お腹が痛くならないというわけではありません。例えば、「大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)」や「センナ」は天然成分から抽出された便秘薬ですが、刺激性下剤に該当し、服用することでお腹が痛くなることもあります。

編集部編集部

「ハーブや漢方薬だから安心できる」というわけではないのですね。

宮田 雅弘先生宮田先生

はい。「キャンドルブッシュ」もその一例です。現在、キャンドルブッシュを原材料として含む健康茶が多数市販されていますが、キャンドルブッシュにはセンナと同様、下剤の作用がある「センノシド」という成分が含まれているとの報告があります。国民生活センターは、「キャンドルブッシュを含む健康茶は、人によっては激しい下痢を起こす可能性がある」と注意喚起しています(※)。キャンドルブッシュは「カッシア・アラタ」という名称でも知られたハーブですが、ハーブなど天然の植物だからといって、決して安心できません。

※国民生活センター「キャンドルブッシュを含む健康茶-下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意-」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140123_1.html

宮田 雅弘

監修医師
宮田 雅弘(天白宮田クリニック)

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藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部卒業。名古屋掖済会病院、春日井市民病院で勤務した後、藤田保健衛生大学消化管内科助教および同大学医学部客員助教就任。2016年、愛知県名古屋市に「天白宮田クリニック」を開院。苦痛の少ない内視鏡を得意とし、胃腸のトラブル、生活習慣病、切り傷の治療など、幅広い症状に対応。地域住民のかかりつけ医として、地域医療に幅広く貢献している。日本消化器病学会専門医、日本外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本医師会認定産業医。

※この記事はメディカルドックにて【便秘薬の選び方を医師が解説 下剤の種類・成分や即効性・市販薬で改善しないときにおすすめの対処法は?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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