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膀胱がんと診断されたら… 膀胱がんの検査・診断から治療法まで進行度別に医師が解説

 公開日:2025/02/28
膀胱がん 治療方法

膀胱がんの検査や診断には、尿検査や超音波検査、膀胱鏡(内視鏡)検査などが活用されます。さらに、MRIやCT検査をおこなうことで、がんの進行度や転移の有無を詳しく調べます。検査結果に基づいて病期を分類し、適切な治療法が選択されます。「所沢いそのクリニック」の磯野先生に、膀胱がん診断の流れと治療方針について教えていただきました。

磯野 誠

監修医師
磯野 誠(所沢いそのクリニック)

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防衛医科大学校卒業。その後、デュッセルドルフ大学泌尿器科、恵佑会札幌病院泌尿器科、我孫子東邦病院泌尿器科などで経験を積む。2023年、埼玉県所沢市に「所沢いそのクリニック」を開院。老若男女問わず元気で豊かな生活を送れるよう、一人ひとりに最適な医療を提供する。医学博士。日本泌尿器科学会専門医・指導医。

編集部編集部

膀胱がんの検査や診断は、どのようにおこなわれるのですか?

磯野 誠先生磯野先生

膀胱がんの診断には、尿検査、超音波検査、膀胱鏡(内視鏡)検査などをおこないます。また、MRI検査もして、がんがどれくらいの深さなのかを確認したり、CT検査でほかの臓器への転移を調べたりします。

編集部編集部

膀胱がんと診断された場合、どのように治療するのですか?

磯野 誠先生磯野先生

まずは病期を区分します。一般に「T:局所でのがんの進展度」「N:骨盤内リンパ節転移の有無と程度」「M:ほかの臓器への転移の有無」という3つに分け、病期を分類します。この分類をおこなうために、診断と治療を兼ねて「TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)」をします。TURBTは、尿道を通して膀胱内に内視鏡を入れ、電気メスで腫瘍を切り取る手術です。

編集部編集部

その後は?

磯野 誠先生磯野先生

TURBTで採取したがん組織を顕微鏡で調べて、悪性度と深達度(がんの深さ)を評価します。筋層までがん細胞が浸潤していない「筋層非浸潤性膀胱がん」であるとわかった場合は、いわゆる「ステージ1」です。この場合、手術で根治できる可能性もあります。また、筋層浸潤性膀胱がんであっても転移がない場合は、膀胱全摘除術が標準治療です。膀胱周囲の臓器までがんが浸潤している、あるいは転移があるなど、がんが進行している場合には薬物療法を検討します。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

磯野 誠先生磯野先生

膀胱がんは、その名の通り膀胱に発生するがんのことを指します。この膀胱がんの最も一般的な初期症状は血尿です。血尿は目に見えるレベルのものから、微量で尿検査時にのみ検出されるものまで様々です。また、排尿時の痛みや排尿回数の増加といった症状も、膀胱がんの可能性を示す兆候として知られています。これらの症状が表れた際、最も大切なのは迅速な受診です。膀胱がんは早期に発見すれば治療の成功率も高まります。したがって、症状に気付いたら直ちに泌尿器科を受診し、膀胱がんの専門的な検査を受けることが大切です。早期の発見と適切な治療が、良好な結果へとつながります。

※この記事はメディカルドックにて【「膀胱がん」の初期症状とセルフチェック方法を泌尿器科医が解説 頻尿・血尿などの異変に要注意!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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