血尿が出たら病院に行くべき? 受診の目安はあるの? 血尿の種類と病気について医師が解説

尿の色がいつもと違う、あるいは健康診断で尿潜血を指摘された場合、一時的なものだろうと放置していませんか? 実は、ぼうこうがんの約85%は血尿がきっかけで発見されており、たとえ1回きりの血尿でも精密検査を受けることが推奨されます。では、血尿の原因や対処法について、速水先生にお聞きしました。

監修医師:
速水 悠太郎(ぐみょうじ泌尿器科 院長)
関西医科大学医学部卒業。関西医科大学附属枚方病院(現・関西医科大学附属病院)、大阪府済生会野江病院などの勤務を経た2020年、神奈川県横浜市に「ぐみょうじ泌尿器科」開院。幅広い知識と経験から、最適な医療をおこなうよう心掛けている。日本泌尿器科学会認定専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。日本排尿機能学会、日本泌尿器腫瘍学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本腎泌尿器疾患予防医学研究会の各会員。
編集部
血尿を無視するって、好ましくはないですよね?
速水先生
ありえないですね。日本泌尿器科学会によると、ぼうこうがんの85%は、患者さんの見た目の自覚を契機に発覚するそうです。がんに限らず、健康なヒトは血尿を出しません。
編集部
血尿といっても、量によっては「色」で見分けられない気がします。
速水先生
そうですね。また、出血と無関係な“濃い色”の尿が出ることも頻繁に起こります。そうした場合も含めて、「気になったら受診」していただいて構いません。例え“1回きり”でも、調べてみる価値があるでしょう。がんの可能性を残したままにすることは、好ましくありません。
編集部
色の濃いほうが、より異常なのでしょうか?
速水先生
そうとは限りません。量を問わず、血が混じっていた時点で異常です。その意味で、色の自覚がなく、健康診断の尿検査などで「尿潜血」を指摘された場合でも、精密検査だけは受けてください。
編集部
自覚のない「尿潜血」って、どれくらい“危ない”ことなんですか?
速水先生
おおむね95%は、異常が見られない生理的な現象です。しかし、裏を返せば、5%はなにかしらの疾患が隠れていることになります。20人に1人ということになると、スクリーニングとしては“高い”割合と言えるでしょう。
※この記事はメディカルドックにて【血尿が出たらすぐに病院へ行くべき? 泌尿器科医が回答】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。