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「頭痛持ちだから…」と放置すると起こる悪影響とは!? 受診の重要性や治療方法を医師が解説

 公開日:2025/02/28

一次性頭痛は命に関わる緊急性は低いとされていますが、放置することで症状が慢性化したり、薬物乱用頭痛を引き起こすリスクがあります。専門の頭痛外来では、発作に対する治療や予防法、生活習慣の改善についてもサポートを受けることができるそうです。頭痛の治療方法について「ふじさわ脳とからだのクリニック」の永尾先生に詳しくお聞きしました。

永尾 征弥

監修医師
永尾 征弥(ふじさわ脳とからだのクリニック )

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2003年富山医科薬科大学医学部(現・富山大学医学部)卒業。大学の医局や救急病院などで、20年ほど脳神経外科医として勤務。救急病院で脳卒中を中心とした診療や、総合病院で地域医療に携わりつつ企業の産業医として従事。現在は神奈川県藤沢市の「ふじさわ脳とからだのクリニック」で、もの忘れ外来などに携わっている。

編集部編集部

「一次性頭痛」の場合は受診しなくて良いのでしょうか?

永尾 征弥先生永尾先生

一次性頭痛であれば、二次性頭痛と比べて早急に受診する必要はありません。しかし、これは「一次性頭痛は放置してもいい」という意味ではありません。一次性頭痛でも生活に支障をきたしているケースもありますので、痛み止めを飲んで我慢する必要はありません。頭痛外来を受診すれば適切な治療方法を提案してもらえますので、我慢せずに相談してみてください。

編集部編集部

痛みを我慢しているとどんな悪影響があるのですか?

永尾 征弥先生永尾先生

痛みを我慢して頭痛を放っておいたり、自己判断して間違った対処方法を続けていたりすると、慢性化し生活に支障をきたすことがあります。頭痛の頻度が少なく、日常生活に支障をきたしていない人が、時々市販の頭痛薬を使用することは問題ありません。しかしながら、頭痛の頻度が多い場合は市販の頭痛薬でその頻度を減らすことはできず、逆に頭痛薬を使用する回数が多くなることで、薬が頭痛の原因となる薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があります。

編集部編集部

頭痛外来では、どんな治療をするのですか?

永尾 征弥先生永尾先生

頭痛の発作に対する治療と頭痛の発作を予防する治療に分けられます。薬を使うにしても、それぞれの病態にあった正しい薬を選択し、効率の良い痛みの取り方を教えていただけます。さらには、飲み薬の治療や注射の治療だけでなく、頭痛を起こさないような生活習慣についてのアドバイスなども受けられます。慢性頭痛については薬物治療だけではなく、頭痛に向き合った生活習慣を身につけることが極めて大切となるのです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永尾 征弥先生永尾先生

「慢性的な頭痛は病気ではない」「痛み止めを飲んでおけば良い」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。頭痛の専門外来などに相談することで、症状が緩和されたり、頻度が少なくなったり、生活が楽になることが期待できますので、「頭痛持ちの体質だから」と我慢せず、まずはお近くの頭痛外来などに相談してみてください。合わせて、頭痛に苦しむ人が周囲にいた場合には「頭痛ぐらい大した事ないでしょ」というような認識はしないようお願いします。現時点で、頭痛で医療機関にかかっている人も、もし効果を感じられなければ、一度しっかりとした頭痛専門外来に相談してみることをお勧めします。

※この記事はメディカルドックにて【くも膜下出血や脳腫瘍による「頭痛」とは? 「頭痛もちだから…」と放置が良くないワケ】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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