治ったと思ったら大間違い? 「脳梗塞」の予兆と検査の重要性を医師が解説

脳梗塞の前兆には、「一過性脳虚血発作」と呼ばれる症状があります。10%のケースで本格的な脳梗塞が発症するため、早期の受診が非常に重要なのだそうです。また定期的な健康診断を受けることで、リスクを事前に把握することも大切です。脳梗塞の前兆や予防について「医療法人脳神経外科たかせクリニック」の高瀬先生が解説します。

監修医師:
高瀬 卓志(医療法人脳神経外科たかせクリニック 院長)
大阪医科大学卒業。大阪医科大学脳神経外科助手、北野病院脳神経外科副部長、多根総合病院脳神経外科医長などを歴任後の2008年、大阪府大阪市に「医療法人脳神経外科たかせクリニック」開院。脳の病気の早期発見と治療に努めている。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本頭痛学会認定頭痛専門医、日本認知症学会専門医。大阪医科大学臨床教育教授。
編集部
脳梗塞の前兆についても教えてください。
高瀬先生
「一過性脳虚血発作」と呼ばれている症状群で、その特徴は、①症状が一時的に起こった後に治まること、②体の左右どちらかに限定して起きることです。左右片側にみられる具体的な症状例としては、まひして動かない、感覚が鈍い、目の見え方がおかしい、発音がしにくいなどですね。
編集部
発作がやがて治まったとしても、安心はできないと?
高瀬先生
そういうことです。「一過性脳虚血発作」を起こした方の約10%が、本格的な脳梗塞へ至ります。ですから、予兆がみられたら、すぐにでも受診してください。元に戻ったことは、「治ったこと」を意味しません。明らかな予兆です。
編集部
平時から、自費になったとしても人間ドックなどを受けておくべきでしょうか?
高瀬先生
企業健診や特定健診を受けられる方なら、それらの検査を活用しましょう。この場合の「活用」とは、再検査などの指示を受けたとき、それに従うことです。なお、異常値がみられた場合の再検査は、保険の対象になります。大前提として、特定健診などを受けられるのに“受けない”のは論外でしょう。
※この記事はメディカルドックにて【突然起こる「脳梗塞」の前兆とは? 予防法についても医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。