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「脳卒中」になったときの対処法を医師が解説「一分一秒を争う対処が生死を分ける」

 公開日:2025/02/13
時間との勝負

脳卒中を発症した場合、一分一秒を争います。もし身近な人が突然倒れた場合、すぐに救急車を呼び、倒れた時間や既往症、服用中の薬の情報を伝えることが重要です。また、初期症状を理解し迅速に対応することが命を救うカギとなります。この記事では、脳卒中の対処法について「関東脳神経外科病院」の清水先生に解説していただきました。

編集部編集部

身近な人が突然倒れて脳卒中が疑われる場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

清水 暢裕先生清水先生

一刻を争う状態なので、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。また、救急隊員が到着したら「いつまで普通の状態であったか」ということを詳細に伝えましょう。もし倒れた瞬間を見ていなかった場合には、「知る限り、最後に元気だった時間」を伝えましょう。その時間によって治療法が変わるので、これらの情報はとても重要です。

編集部編集部

そのほか、伝えることはありますか?

清水 暢裕先生清水先生

既往症や現在服用している薬があれば、その内容も伝えてください。できればお薬手帳や、薬の現物を見せるといいでしょう。

編集部編集部

救急隊員が来る前にやるべきことはありますか?

清水 暢裕先生清水先生

倒れたときに体や頭を強く打っていないかを確認します。また、ネクタイやベルトなどを緩め、呼吸を楽にしてください。それから、水平に寝かせ、毛布などをかけて体が冷えないようにしましょう。

編集部編集部

そのほかにも、気をつけることがあれば教えてください。

清水 暢裕先生清水先生

風呂場やトイレなどで倒れた場合には、救急隊員が搬送しやすい場所に運び、安静にしてください。もし、家族がすぐ病院へ連れていける場合には、車で搬送しても構いません。ただし、本人が運転するのは危険なのでやめましょう。

編集部編集部

どのような姿勢で寝かせればいいのですか?

清水 暢裕先生清水先生

嘔吐した場合には、吐いたもので窒息することがないよう「回復体位」にします。回復体位は、横向けにして、上側の手を顎から顔の下に入れ、下顎を軽く前に突き出した姿勢のことです。これをすることで気道が確保され、呼吸が楽になります。体が後ろに倒れないよう、上側の足を前に出し、膝を90度くらい曲げておきましょう。

編集部編集部

あらためて、どのように脳卒中と向き合えばいいですか?

清水 暢裕先生清水先生

脳卒中の治療は、時間との勝負。万が一発症した場合、できるだけすぐに治療を開始することが重要です。そのために重要なのは、脳卒中の初期症状について理解し、脳卒中を疑うのに必要な知識を身につけることです。いざというときの対応なども覚えておくと、身の回りの人が倒れたときに役立つでしょう。

清水 暢裕

監修医師
清水 暢裕(関東脳神経外科病院)

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岩手医科大学卒業。その後、群馬大学医学部附属病院脳神経外科入局、関東脳神経外科病院、佐久総合病院勤務。2021年、埼玉県熊谷市に位置する「関東脳神経外科病院」の理事長に就任。日本脳神経外科学会専門医。山梨大学医学部臨床教授。

※この記事はMedical DOCにて【「脳卒中」の初期症状・原因はご存じですか? 脳卒中の疑いで倒れたときの正しい対処法も医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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