目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「境界性パーソナリティ障害」不安定な対人関係の特徴とは? 症状や危険行動について医師に聞く

「境界性パーソナリティ障害」不安定な対人関係の特徴とは? 症状や危険行動について医師に聞く

 公開日:2025/02/02

境界性パーソナリティ障害は、感情や対人関係での不安定さが特徴的です。気分が急激に変動したり、人間関係で極端な行動を取ることがよく見られるそうです。今回は境界性パーソナリティ障害の感情の不安定性や症状について筑波大学精神神経科の松崎朝樹先生に詳しく伺いました。

編集部編集部

境界性パーソナリティ障害ではどのような症状が見られますか?

松崎 朝樹先生松崎先生

主な症状の一つに「感情の不安定性」があります。不安定性とは、時間・日にち単位で気分が変わる傾向にあることです。楽しいと思っていたら急にイライラして怒り出したり、落ち込んだり不安になったりする場合があります。その多くは対人関係でのストレスで現れます。また、対人関係においてはある人と仲良くなったと思っていたら、別のあるときにはけなしたり罵倒したりするような場合があります。その間を揺れ動く「不安定な対人関係」が特徴の一つです。

編集部編集部

その他、対人関係で見られる症状は何かありますか?

松崎 朝樹先生松崎先生

見捨てられ不安」「見捨てられ抑うつ」というものがあります。これは、なりふり構わず相手に見捨てられないようにしてしまう症状です。贈り物を送る、望まない性交渉に応じる、頻繁にメールを送るなどの行動をする場合もあります。その他、相手の気を引くために、自傷や自殺をほのめかすということもあるかもしれません。

編集部編集部

自傷や自殺は実際におこなわれるのでしょうか?

松崎 朝樹先生松崎先生

自殺関連・自傷行動」は、行動する振りをしたり脅しで終わったりすることもありますが、実際にリストカットを繰り返す人もおり、中には、自殺未遂に及ぶ人もいます。このうち、8〜10%は実際に自殺に至るので周囲の人は注意が必要です。距離をおかれる、拒絶される、責任の増大など、心理社会的なストレスが生じ、それが予期された時に自殺関連行為に至りやすいとはされていますが、様々なタイミングで現れます。中には記憶が無い状態でおこなわれるような場合もあります。

松崎 朝樹

監修医師
松崎 朝樹(筑波大学精神神経科)

プロフィールをもっと見る
1998年筑波大学卒業。埼玉県立精神医療センター、筑波大学附属病院、国立精神・神経医療研究センターなどの勤務を経て、2014年より筑波大学精神神経科講師。医学生への講義ではベストティーチャー賞を多数受賞。著書:『精神科診療プラチナマニュアル』(MEDSi)、『教養としての精神医学』(KADOKAWA)ほか多数。

※この記事はメディカルドックにて【「境界性パーソナリティ障害」の特徴的な症状9つを精神科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師