「手の震え」の原因はご存じですか? アルコール依存症の可能性も? 飲酒量が増える年末年始は注意!
手の震えの原因はさまざまですが、最も多いのは「生理的な震えの増強」。疲労やストレス、カフェインの摂りすぎなどが影響します。一方で、パーキンソン病や小脳の病気、血管障害が原因の「病的な震え」も見逃せません。また、アルコール依存症でも手の震えが現れることがありますが、これは依存症の進行による症状の一つです。今回は、手の震えの原因や対処法を「ライトメンタルクリニック」の清水先生に解説していただきました。
監修医師:
清水 聖童(ライトメンタルクリニック)
編集部
手の震えの原因はなんでしょうか?
清水先生
最も多いのは「生理的な震えの増強」でしょう。これは、疲労やカフェインの摂りすぎ、不安、ストレスなどで生じます。続いて高頻度なのが「一定の姿勢を保つときに起きる震え」です。例えば、背伸びしたり、物を取ろうと手を伸ばしたりするときにみられます。その原因として、お薬や代謝の影響などが考えられる一方、“病的”ではない震えも含まれます。
編集部
病的な震えもあるのですよね?
清水先生
なにもしていないときに生じる震えの代表が、パーキンソン病に伴う症状です。また、湯飲みを口元にもっていくなど、なにかしようとするときに起きる震えは、小脳の病気や血管障害、腫瘍などの患者さんに多いですね。
編集部
加えて、アルコール依存症として手が震える場合もあると?
清水先生
そうですね。ただし、繰り返しになりますが、飲酒量がどんどん増えていくとか、肝障害などの有害事象が増えていてもやめられないというほどでないと、依存症とはいえません。他方で、「依存症ではないから毎日のんでもいいのだ」という考えは危険です。依存症は急になるのではなく、次第に進行していきます。
編集部
病的ではない手の震えなら、放っておいていいのでしょうか?
清水先生
本当に「病的といえないのか」に尽きますね。調べておいて損はないと思いますし、生活のしづらさを伴うようなら、遠慮なくご相談ください。今では、効果的なお薬も出ています。
※この記事はMedical DOCにて【お酒を飲まないと手が震えるってアルコール依存症なの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。