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與真司郎「世界で1人しかいないと思った」ゲイ公表までの葛藤とLGBTQ+の課題とは 與真司郎「世界で1人しかいないと思った」ゲイ公表までの葛藤とLGBTQ+の課題とは

LGBTQ+とは「Lesbian(レズビアン)」「Gay(ゲイ)」「Bisexual(バイセクシュアル)」「Transgender(トランスジェンダー)」「Queer(クィア)/ Questioning(クエスチョニング)」の頭文字を取った言葉で性的マイノリティを総称する言葉としても用いられています。また、こうした言葉では表現しきれない性の多様性を+(プラス)で表し、現在ではLGBTQ+と表現されることも増えています。少しずつメディアでも取り上げられる機会が増えた言葉ではありますが、すべてのセクシュアリティについて正確に理解していない人が多いことが課題として挙げられています。そこで今回はLGBTQ+についてご自身のカミングアウトの経験も踏まえて、與真司郎さんと一般社団法人にじいろドクターズの坂井雄貴先生に対談していただきます。 ※本記事は2023年10月に取材したものです。

與真司郎
インタビュー與真司郎(タレント)
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アメリカ・ロサンゼルス在住。日本とロサンゼルスを拠点に活動中。 AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、2005年9月14日にシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。2021年ソロアーティストとしても全国アリーナツアー「SHINJIRO ATAE ARENA TOUR -THIS IS WHERE WE PROMISE-」を開催。2021年3月からはアパレルのみならず、美容健康食品や、雑貨、アクセサリー等、自身のライフスタイルを幅広く表現していくブランド「446 – DOUBLE FOUR SIX -」の立ち上げを発表し、ブランドプロデューサーとして活動中。
坂井雄貴先生
監修医師坂井雄貴(医師)
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2014年群馬大学医学部卒業後、亀田総合病院・亀田ファミリークリニック館山にて研修を積む。LGBTQ+と医療について考え、伝える場作りを目指し、2021年4月には代表理事として一般社団法人にじいろドクターズを立ち上げる。長野県軽井沢町「ほっちのロッヂの診療所」院長。日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医。
chapter01 與真司郎が感じた孤独と生きづらさ~本当の自分を受け入れることができた理由~ chapter01 與真司郎が感じた孤独と生きづらさ~本当の自分を受け入れることができた理由~

坂井先生坂井雄貴先生

ご自身がゲイであることを自覚されたのはいつ頃でしたか?

與真司郎さん與さん

小学生くらいから、なんか人と違うなっていう感覚はありました。周りの男友達と遊んでいて「あれ?少し話が合わないな」と感じるようになったのが中学生くらいの頃です。ゲイを自覚したというよりも、人と違うなという違和感はありましたね。

坂井先生坂井雄貴先生

その時どのような気持ちになりましたか?

與真司郎さん與さん

自分のような人は世界で1人しかいないと思って焦りました

坂井先生坂井雄貴先生

インターネットも普及していなかったので、調べることもできないですしね。

與真司郎さん與さん

はい。当時スマートフォンがあれば自分で調べたと思います。僕が中学生の頃は世界的にもLGBTQ+という言葉自体もなく、孤独を感じて結構苦しかったです。

坂井先生坂井雄貴先生

2016年にLAへ渡ったようですが、渡米を決めたきっかけや当時の心境について教えてください。

與真司郎さん與さん

20代前半で初めてLAへ行った時にハリウッドで男性2人が普通にキスをしていて、その光景に衝撃を受けたのがきっかけです。「俺はLAに住まないと自分らしく生きていけないのかもしれない」と思っていました。

坂井先生坂井雄貴先生

ファンの方から求められる自分の姿との葛藤などはありましたか?

與真司郎さん與さん

本当は僕もキャリアを優先してソロでもいろいろ挑戦したかったのですが、当時はまず自分自身を受け入れることをしないとメンタルが持たないと感じていたので、そこで葛藤もありましたね。

坂井先生坂井雄貴先生

実際にLAで暮らしてみてどうでしたか?

與真司郎さん與さん

信頼できる友達ができるまでの最初の2年間は大変でした。ゲイの集まるコミュニティに参加するとゲイだと知られてしまう可能性もあるので、LAにいても変わらないことに気づきました。渡米したものの、どこに行ったらいいのか分からない状態が辛かったですね。

坂井先生坂井雄貴先生

その時はどう対処されたのですか?

與真司郎さん與さん

日本に戻っても一緒だと思ったので、とにかく信頼できる人との繋がりを作る努力をしました

坂井先生坂井雄貴先生

結果はいかがでしたか?

與真司郎さん與さん

人生が変わるきっかけとなる友人との出会いがありました。その人もゲイなのですが、周りにいる友達と性別やセクシュアリティに関係なく普通に過ごす光景を見て「こういう世界もあるのか」と実感しました。

坂井先生坂井雄貴先生

いい出会いがあったのですね。

與真司郎さん與さん

はい。1人で抱えていることで健康に悪影響はありますか?

坂井先生坂井雄貴先生

LGBTQ+の人たちは、うつや不安などのメンタルヘルスの問題を抱える人も非常に多く、大きな課題になっています

與真司郎さん與さん

心の健康は大切です。

坂井先生坂井雄貴先生

はい。心の健康に関する問題として、日本では異性愛の男性に比べてゲイやバイセクシュアルの男性は自殺未遂率が6倍であるという調査結果もあります。

與真司郎さん與さん

人と違うことで孤独を感じてしまうことは良くないです。

坂井先生坂井雄貴先生

はい。性自認は3歳くらいから、性的指向は小・中学生くらいで自覚することが多いと言われています。LGBTQ+の人たちはロールモデルが不在であったり、家族や友人に自分のことを話せなかったりする中で自分自身のアイデンティティを確立できず、ストレスを抱えやすい現状があります。與さんが本当の意味で自分自身のセクシュアリティを受け入れられたのはいつ頃でしたか?

與真司郎さん與さん

新型コロナウイルスが流行する少し前だと思います。友人の影響で心の健康について深く考え、本を読んだり瞑想をしたりする中で「自分が変わらなければいけない」ということに気付くことができました

坂井先生坂井雄貴先生

信頼できる人との繋がりが自分と向き合うきっかけになったのですね。

與真司郎さん與さん

はい。人との繋がりがなければカミングアウトもできていなかったと思います。それくらい信頼できる人を見つけることは大切だと思います。

「信頼できる人を見つけてほしい」LGBTQ+が理解される社会のために私たちが今できること 「信頼できる人を見つけてほしい」LGBTQ+が理解される社会のために私たちが今できること

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