自分でできるうつ病の回避方法! うつ病にならないための心と体のケア方法を医師が解説
「なんとなく心が疲れている」と感じたら、早めのケアが大切です。休養を取ることや気分転換がうつ病予防に効果的ですが、逆効果となる行動もあります。うつ病のやってはいけない対処法や、医療機関以外での相談窓口、治療期間中の心構えについて、「さぶりクリニック」の佐分先生にお聞きしました。
監修医師:
佐分 美代子(さぶりクリニック 院長)
広島大学医学部卒業。心療内科・精神科勤務を経た1998年、石川県金沢市に「さぶりクリニック」開院。薬物療法・精神療法のほか、治療の前段階にあたるカウンセリングも手掛けている。日本精神神経学会認定専門医。日本児童青年精神医学会会員。金沢市教育プラザ主催「こころの相談」相談員。
編集部
自分でできる、うつ病回避法ってありますか?
佐分先生
休養を取り、「気を晴らせるなにか」に取り組んでみることでしょうか。その意味で、運動が効果的とされています。なお、休養中に「内へこもる」と逆効果になりかねません。外へ出て、ストレスの発散に留意してみてください。
編集部
最も「してはいけない」対処法は?
佐分先生
クヨクヨ考えすぎて負のスパイラルにはまることなのでしょうが、うつ病の方ほど、そうなってしまいますよね。ですから、初期の段階で「自分には休養が必要だ」と考えられるうちに、具体的な行動へ移してしまいましょう。あるいは、「自分には治療が必要だ」と考えられるうちに、専門のクリニックを受診するかです。
編集部
先生は、行政の窓口も担当されていますよね?
佐分先生
医療機関の敷居が高いと感じているなら、行政や保健所の窓口を利用するのも1つの方法です。市町の職員ではなく、医師や保健師が相談員を務めている場合も多々あります。最も避けるべきは「自殺」だと思いますので、気持ちが差し迫る前になんとかしたいですね。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
佐分先生
うつ病の治療期間は一般的に3カ月から半年ほどかかり、比較的長い通院期間が必要です。このとき、遠くて見えづらいゴールを待ち望むよりも、目の前の1日を“確実に”過ごしていきましょう。1日が大丈夫なら1週間でも大丈夫、1週間が大丈夫なら1カ月でも大丈夫と捉えていくと、いつの間にかゴールに着いていると思います。
※この記事はメディカルドックにて【うつ病になりやすい人は、どんな特徴があるの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。