糖尿病のリスクはある? 健康診断や血液検査の「HbA1c」の数値の見方を医師が解説
健康診断や血液検査で目にする「HbA1c」という数値。これは糖尿病リスクの評価や血糖コントロールを示す重要な指標です。どの数値が正常範囲なのか? 数値が高い場合にはどうすれば良いのか? この記事では、HbA1cの基準値や数値の見方、測定値の種類について糖尿病専門医の川名部先生が解説します。
監修医師:
川名部 新(おばな内科クリニック)
編集部
HbA1cがどのくらいだと糖尿病と診断されるのですか?
川名部先生
HbA1cは通常「%」で表され、一般的には、血中のHbA1cが6.5%以上なら「糖尿病」と診断されます。
編集部
私たちが血液検査や健康診断の結果で見るHbA1cの数値は、どう判断したら良いですか?
川名部先生
一般的に、糖尿病でない方のHbA1cの平均範囲は約5.0%〜5.7%です。これは、健康な人々の平均的な血糖コントロールを示します。この範囲内であれば、その時点では糖尿病のリスクは比較的低いと考えて良いでしょう。
編集部
HbA1cの測定値にも種類があると聞きました。
川名部先生
はい。HbA1cの測定値には、NGSPとJDSがあります。NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)は、アメリカ合衆国で採用されているHbA1cの測定値で、JDS(Japan Diabetes Society)は、日本で決められた条件に従った測定値です。日本のJDSはNGSPに比較して約0.4%低い値となっています。
編集部
健康診断の結果などは、どう見たら良いでしょうか?
川名部先生
以前は、JDSの基準値を採用していたのですが、日本糖尿病学会が国際標準化の基本方針を示し、海外の基準値と統一するため、2012年4月1日より、NGSPでの記載となりました。2012年3月31日以前の検査結果と見比べる際などは計算し直す必要がありますが、ここ10年以内の検査値を見る場合は、NGSPと考えて間違いないと思います。
※この記事はMedical DOCにて【糖尿病を判別する「HbA1c」の見方を医師が解説 健康診断・血液検査で調べるこの数値の意味とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。