「エナジードリンク」の効果的な飲み方はご存じですか? 1日の摂取量・本数も医師が解説
エナジードリンクは1日何本までなら飲んでいいのかご存じですか? 今回は、エナジードリンクの効果的な飲み方や注意点について、医師の石黒先生に解説していただきました。
監修医師:
石黒 剛(医療法人白青会 いしぐろ在宅診療所岡崎)
編集部
エナジードリンクは1日何本までなら飲んで良いのでしょうか?
石黒先生
まずカフェインについてですが、日本においても海外においても、毎日ずっと摂り続けても問題ないという「摂取許容量」は設定されていません。これは体重や体質による個人差が大きいためです。一方で、健康への悪影響を防ぐために推奨されている「摂取上限」としては、1日あたり300〜400mgまでとしているものが多いですね。また、エナジードリンクには前述の通り糖質も多く含みますので、1日1本程度にしておくのが良いのではないでしょうか。また、カフェインや糖類を含む、ほかの飲料を常飲している人は、飲まない方が良いと考えます。
編集部
エナジードリンクは子どもに与えてもよいのでしょうか?
石黒先生
エナジードリンクは子どもには推奨しません。これはカフェインに対する感受性が子どもは大人と比べて高く、少量でも強い効果を発揮してしまうためです。また、妊娠している女性に関しては、カフェインの摂取量を1日150〜200mg程度以下にすることが推奨されているため、避けた方が良いでしょう。WHO(世界保健機関)によると、カフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、前述のようなリスクがあるため妊婦はコーヒーでいうと1日3〜4杯までにすることが推奨されています。
編集部
エナジードリンクに頼りすぎるのも良くないということですね。
石黒先生
カフェインはエナジードリンクのみならず、コーヒーやココア、お茶、栄養ドリンクなどに含まれます。これらは私たちの多くが日常的に摂取しているものであり、それによって知らないうちにカフェインを過剰摂取している可能性もあります。エナジードリンクを毎日複数本飲まないと体がだるくて動けないといった状態になってしまうと困りますよね? 疲れた身体や脳が必要としているのは、エナジードリンクに含まれるカフェインや糖質ではなくストレスの軽減や休息なのではないでしょうか。
編集部
どのように、エナジードリンクと向き合うべきでしょうか?
石黒先生
エナジードリンクは適度に飲めば体や頭のパフォーマンスを高める効果を期待できますが、あくまでも短期的な対症療法のようなものです。カフェインという手段に依存するのではなく、日々のストレス、生活環境、スケジュールなど、疲れの根本原因としっかりと向き合っていくことが大切だと思います。
※この記事はMedical DOCにて【エナジードリンクの飲みすぎによる死亡例やカフェイン中毒の危険性を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。