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「エナジードリンク」で死人が出た!? カフェインの致死量や長期的な悪影響を医師が解説

 公開日:2024/10/30
カフェイン中毒

「エナジードリンクで死人が出た」という報告が過去にあったことをご存じですか? 今回は、エナジードリンクなどに含まれるカフェインの致死量や長期的な悪影響について、医師の石黒先生に解説していただきました。

石黒 剛

監修医師
石黒 剛(医療法人白青会 いしぐろ在宅診療所岡崎)

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名古屋大学卒業。初期研修修了後、救急医療・緩和ケア・在宅医療等の経験を重ね、2019年5月に兄とともに「いしぐろ在宅診療所」を愛知県豊田市にて開院、同年10月より副院長を務める。2021年8月には2院目となる「いしぐろ在宅診療所 岡崎」を同県岡崎市にて開院し、患者を中心に家族全員の健康を支える医療を院長として提供している。また、誰でも手の届く場所に医療がある環境を創出するべく開院した「クリニックTEN渋谷」では、医療統括責任者として外来診療のみならず広報活動にも積極的に取り組んでいる。

編集部編集部

エナジードリンクの飲みすぎで救急搬送されたという例があると聞きました。原因は何なのでしょうか?

石黒 剛先生石黒先生

エナジードリンクなどに含まれるカフェインの過剰摂取によって救急搬送される例は少なからず存在します。カフェインを短時間で多量に摂取すると、中枢神経系の刺激によりめまい、動悸、不安、手足の震え、下痢、吐き気といった急性中毒症状が表れることがあります。日本中毒学会が行った調査では、2011年から2016年の5年間で101人がカフェインの過剰摂取により救急搬送され、うち3人が死亡したと報告されています。

編集部編集部

エナジードリンクの飲みすぎによる死亡例もあるのですか?

石黒 剛先生石黒先生

エナジードリンクを常飲していた人が急性カフェイン中毒で死亡し、エナジードリンクの危険性を訴える報道が増えるということが過去にありました。確かにエナジードリンクの飲みすぎは体に大きな負担をかける危険な行為であり、救急搬送されるケースはありますが、エナジードリンクだけで死に至る例はほとんどないようです。過去のカフェイン中毒で死に至った例では、カフェイン飲料に加えてカフェインの錠剤を過剰服用している場合がほとんどでした。カフェインの過剰摂取により救急搬送された人の90%以上がカフェインの錠剤を服用していたという調査も存在します。

編集部編集部

エナジードリンクを飲みすぎると、長期的な悪影響もあるのでしょうか?

石黒 剛先生石黒先生

エナジードリンクの飲みすぎは健康に様々な悪影響を及ぼします。例えばカフェインの代謝が遅い遺伝子型を持つ人が、カフェインを毎日多量に摂取し続けると高血圧の発症リスクを高めることが、トロント大学の研究で示唆されました。また、妊婦が高濃度のカフェインを摂取し続けると胎児の発育が阻害され、流産や死産、出生時の低体重のリスクが高まる可能性も報告されています。いずれにしても、適度な量を適度な頻度、タイミングで取る分には問題ありませんが、注意は必要です。

※この記事はMedical DOCにて【エナジードリンクの飲みすぎによる死亡例やカフェイン中毒の危険性を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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