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白内障の手術後に発症する「後発白内障」をご存知ですか? 白内障が”再発”しているのか医師に聞く

 公開日:2024/09/30
「白内障」とは別?

白内障の手術を受けた後に発症する「後発白内障」。後発白内障は手術を受けたのに、白内障が再発してしまう病気なのでしょうか。「アイケアクリニック本院・アイケアクリニック東京」の佐藤先生に伺いました。

佐藤 香

監修医師
佐藤 香(アイケアクリニック東京)

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獨協医科大学医学部卒業。獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)入局。眼科勤務を経た2012年、首都圏を中心に5院展開する「アイケアクリニック」のうち「アイケアクリニック本院」「アイケアクリニック東京」の院長に就任。日々、患者の望む見え方を実現できるようにするための手術を心がけている。医療法人トータルアイケアの理事も務める。

編集部編集部

昨今、白内障の日帰り手術を散見するようになってきました。

佐藤香医師佐藤先生

そうですね。長期でみた白内障の罹患率は100%とされています。「見えの不具合」を気にされるかどうかは別として、「誰にでも起きる目の病気」ということです。よって、使用する“人工レンズ”の種類にもよりますが、手術費用には保険が適用されています。

編集部編集部

人工レンズに置き換えたら、「見えの不具合」は解消されると考えていいのでしょうか?

佐藤香医師佐藤先生

基本的にはそうです。ただし、術後の5年で「後発白内障」を発症する患者さんが約2割いらっしゃいます。後発白内障は、水晶体を包んでいた“袋のような部位”に起きる濁りです。袋の前面は手術によって取り除かれていますが、後部は人工レンズの安定のためにも残しているのです。この袋の後部の濁った細胞が増殖すると、後発白内障が発症します。

編集部編集部

後発白内障は白内障の“再発”と言っていいでしょうか?

佐藤香医師佐藤先生

症状が一般の白内障と一緒なので、再発と言うこともあります。ただし、病気としては別ですので、再発に含めない印象ですね。また、本来の白内障手術のように「削って吸い取る」必要はなく、レーザーを当てる手術で解決できます。濁っている袋をレーザーで破いていくイメージでしょうか。最初の白内障手術から半年もたっていれば、人工レンズは癒着して安定してきます。ですから、袋の後部の一部をレーザーで破っても大丈夫なのです。

編集部編集部

後発白内障を放置しているとどうなるのでしょう?

佐藤香医師佐藤先生

一般的な白内障と同様、失明まで進むことがあります。ですから、後発白内障のレーザー術にも保険が適用されています。一般の白内障の再発だと思われると、「またか、きりがないな」と感じるかもしれませんが、それぞれ別の病気で、別個の解決が可能です。約2割の方にはお手間になってしまうかもしれませんが、しっかりと治していきましょう。

※この記事はMedical DOCにて【白内障手術を受けた人が“再発”する「後発白内障」とは? 注意点や治療方法を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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