大腸カメラを日帰りで受けられるメリットや注意点などを内視鏡専門医が解説
大腸カメラ(内視鏡検査)の「最大のメリットは、その場で発見と同時に切除治療を行えること」だと東京内視鏡クリニックの工藤先生は言います。そんな大腸カメラについて、必要な時間や流れ、注意点も教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて《大腸カメラの「死角」とは? 内視鏡検査を毎年受けることが重要なワケ【医師解説】》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
工藤 豊樹(東京内視鏡クリニック)
編集部
内視鏡検査を受けに行ってポリープ切除も行った場合、治療・処置の流れは大きく変わってしまうのですか?
工藤先生
基本的には、内視鏡検査当日そのまま日帰りにて切除(治療)が可能です。あまりにポリープの数が多いとき(10個以上)や直径が2cmなどの大きなものは切除するのに時間がかかるため、後日あらためて来院をお願いすることもありますが、それ以外ではポリープ切除目的で再び来院していただくことは原則ありません。
編集部
多忙な現代人には嬉しいですね。
工藤先生
そうだと思います。内視鏡検査の最大のメリットは、その場で発見と同時に切除治療を行えることです。これは大腸ポリープのみならず、初期のがんでも同様で、その場で切除ができるため開腹手術を避けることができます。患者さんの身体的負担もほとんどなく、検査が終わればそのまま歩いて帰ることもできます。
編集部
切除後に注意することはありますか? 切除後は何日くらい安静が必要ですか?
工藤先生
ポリープを切除した箇所は、出血しやすくなっていますので、切除後1週間は運動・アルコール・熱いお風呂やサウナなど、血流がよくなることは控えていただいています。また、何かあった時に対応できなくなるため、遠方への移動、特に海外旅行などは避けるようにお願いしています。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。
工藤先生
大腸がんは、初期だとほとんどが無症状です。つまり、症状が出てから受診・検査をしたのでは手遅れとなる可能性があります。症状のない時に検査することで、がんになる前のポリープや、初期のがんの段階で切除することができるのです。「自分は健康なので必要ない」と思っている方こそ、一度内視鏡で確認してもらってください。特に、40歳以上の方は、できれば毎年大腸内視鏡検査を受けていただくことをお勧めします。