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焼肉・揚げ物…なぜ脂っこいものを食べると「胃もたれ」になる?【医師解説】

 公開日:2024/08/26
中高年 あるある

焼肉などの脂っこいものを食べると胃もたれになる原因はご存じですか? 今回は、胃もたれの原因について、医師の丸山先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【焼肉を食べた翌日の「胃もたれ」を防ぐコツ・対処法を医師が解説! 食事中の○○に要注意!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

編集部編集部

まず、胃もたれについて教えてください。

丸山先生丸山先生

胃の中の食べ物の消化が遅れることで起こる症状のことを胃もたれと言います。じつは、胃もたれという医学用語は存在せず、消化不良に伴う症状の1つを指す俗語です。胃もたれは、脂肪分の多い食べ物を摂取した後に顕著です。脂肪(脂質)を消化する酵素は胃の中では分泌されないため、糖質やタンパク質と比較して脂質は消化されにくく、胃の中で長時間留まりやすい性質があります。その結果、「胃が重だるく感じる」「お腹が張って不快に感じる」「吐き気がする」「胸やけがする」などの症状が出ることがあるのです。

編集部編集部

焼肉を食べた次の日は、胃もたれでしんどいです……。

丸山先生丸山先生

カルビやホルモンなどの脂肪分の多い部位は、胃もたれの原因となり得ます。また、焼肉と一緒に飲むアルコールも、胃腸の動きを鈍らせ胃もたれを悪化させる可能性があります。アルコールが肝臓で代謝されて発生する「アセトアルデヒド」は吐き気の原因となるため、胃もたれを悪化させる原因となります。そのため、「肉の部位をバランスよく選ぶ」「食べる量を適量に抑える」「焼肉と一緒に野菜も摂る」「飲酒を控えめにする」などの工夫が胃もたれを防ぐためのポイントです。

編集部編集部

あと、若い頃はなんともなかったのに、年を重ねるにつれて胃もたれがひどくなっている気がします。年齢も胃もたれと関係あるのでしょうか?

丸山先生丸山先生

はい。加齢によって胃酸の分泌量が減少し、胃の動きも悪くなります。若い頃は胃酸の分泌量が多く、食べ物をスムーズに消化することができたかもしれません。しかし、年齢とともに胃酸分泌の減少や腸管運動能力の低下によって消化能力が下がるのが一般的です。その結果、同じ量・同じ種類の食事をしても胃もたれを感じることが増える可能性があります。自分の年齢や体調に合わせて、食事の内容や量を適切にコントロールすることで、一定の改善が期待できるでしょう。

編集部編集部

脂っこい食事や加齢以外にも、胃もたれを起こしやすくなる原因はありますか?

丸山先生丸山先生

ストレスや生活習慣の乱れ、風邪や胃腸炎といった感染症なども胃もたれを引き起こす可能性があります。長時間の仕事やプレッシャーなどのストレスは、交感神経が強く働いてしまい胃腸の動きを抑えるため、胃もたれの原因となることがあります。また、食生活の乱れや運動不足も同様に胃の調子を崩す要因になることが多い傾向にあります。特に食べ過ぎや早食い、咀嚼の少ない食事は胃に負担をかけ、胃もたれを引き起こします。さらに、胃の機能を低下させるような病気も存在します。例えば、胃炎胃潰瘍などは胃の粘膜を傷つけることで胃もたれの症状を引き起こすことがありますし、単なる風邪であっても元気なときと比較すると消化機能が低下するため、胃もたれを起こしやすくなります。

この記事の監修医師

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