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前立腺がんを調べる「PSA」とは何かご存知ですか? どのくらいで“数値が高い”のか医師が解説

 公開日:2024/08/20
PSA検査

男性特有のがんである「前立腺がん」。採血のみでスクリーニングできる「PSA検査」が主流の検査ですが、このPSAとは何を示しているのかご存知でしょうか。PSAの数値が高いと前立腺がんということになるのかも気になります。佐々木クリニック泌尿器科 芝大門の佐々木先生に伺いました。

※この記事はMedical DOCにて【前立腺がん検査のPSAを医師が解説 数値の見方や費用は? 検査はどこで受ける?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

佐々木 裕

監修医師
佐々木 裕(佐々木クリニック泌尿器科 芝大門)

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1999年 東京慈恵会医科大学卒業。虎の門病院や東海大学医学部付属病院、トロント大学サニーブルックヘルスサイエンスセンターなどで臨床経験を積み、東京慈恵会医科大学講師などを経て2022年11月1日、芝大門に泌尿器科専門のクリニックを開院、院長となる。泌尿器科の専門施設として、プライマリケアはもちろんのこと、大病院での精査の判断、病院での治療後の継続フォロー、泌尿器以外の病気の相談など、きめ細やかな対応ができる施設を目指している。特にPSA高値・前立腺がんのマネージメント、日帰りの経会陰前立腺生検に力を入れている。

編集部編集部

「腫瘍マーカー」とはなんですか?

佐々木 裕先生佐々木先生

体内にがんがあると血液検査や尿検査で、特異的な物質の値が上昇することがあります。その物質が「腫瘍マーカー」です。血液検査や尿検査で、腫瘍マーカーの値を測定すれば、体のどこにどんながんがあるのかを推測することができます。

編集部編集部

前立腺がんの腫瘍マーカーは「PSA」ということですか?

佐々木 裕先生佐々木先生

そうですね。PSAは「前立腺特異抗原」の英名の略称で、そもそも前立腺の正常細胞内に誰もが持っている糖タンパクです。がん細胞により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出すので、血液中のPSA値が増加します。つまり、血液検査でPSA値が高かった場合は前立腺がんの可能性がある、ということになります。

編集部編集部

どのくらいで「数値が高い」というのですか?

佐々木 裕先生佐々木先生

血中のPSAは、一般的には0~4ng/mLが正常値とされていますので、この範囲以上になると「数値が高い」といえます。また、年齢階層別にもPSAカットオフ値(特定の疾患や状態にあるグループとそうではない群とを分ける値)が提唱されています(50~64歳:0.0~3.0ng/mL、65-69歳:0.0~3.5ng/mL、70歳以上:0.0~4.0ng/mL)。その場合、年齢によっても正常範囲は異なります。

編集部編集部

PSAの数値が高いことが、「イコール前立腺がん」ではないのですね。

佐々木 裕先生佐々木先生

そうですね。先述のとおりPSAは前立腺特異抗原で、がん特異抗原ではありません。PSA値は年齢や生活習慣などでも変わりますし、前立腺の炎症などでも数値が上昇することがよくあります。PSA値が10ng/mL以上の方でも前立腺がんが発見されない場合もあれば、逆に、4ng/mL以下でも前立腺がんが発見されることもあるのです。やはり、確定診断のためにはほかの検査が必要ですね。

参考サイト
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/diagnosis.html

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