前立腺がんを調べる「PSA」とは何かご存知ですか? どのくらいで“数値が高い”のか医師が解説
男性特有のがんである「前立腺がん」。採血のみでスクリーニングできる「PSA検査」が主流の検査ですが、このPSAとは何を示しているのかご存知でしょうか。PSAの数値が高いと前立腺がんということになるのかも気になります。佐々木クリニック泌尿器科 芝大門の佐々木先生に伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【前立腺がん検査のPSAを医師が解説 数値の見方や費用は? 検査はどこで受ける?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
佐々木 裕(佐々木クリニック泌尿器科 芝大門)
編集部
「腫瘍マーカー」とはなんですか?
佐々木先生
体内にがんがあると血液検査や尿検査で、特異的な物質の値が上昇することがあります。その物質が「腫瘍マーカー」です。血液検査や尿検査で、腫瘍マーカーの値を測定すれば、体のどこにどんながんがあるのかを推測することができます。
編集部
前立腺がんの腫瘍マーカーは「PSA」ということですか?
佐々木先生
そうですね。PSAは「前立腺特異抗原」の英名の略称で、そもそも前立腺の正常細胞内に誰もが持っている糖タンパクです。がん細胞により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出すので、血液中のPSA値が増加します。つまり、血液検査でPSA値が高かった場合は前立腺がんの可能性がある、ということになります。
編集部
どのくらいで「数値が高い」というのですか?
佐々木先生
血中のPSAは、一般的には0~4ng/mLが正常値とされていますので、この範囲以上になると「数値が高い」といえます。また、年齢階層別にもPSAカットオフ値(特定の疾患や状態にあるグループとそうではない群とを分ける値)が提唱されています(50~64歳:0.0~3.0ng/mL、65-69歳:0.0~3.5ng/mL、70歳以上:0.0~4.0ng/mL)。その場合、年齢によっても正常範囲は異なります。
編集部
PSAの数値が高いことが、「イコール前立腺がん」ではないのですね。
佐々木先生
参考サイト
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/diagnosis.html