「認知症を防ぐ生活習慣」をご存知ですか? 食事・運動・睡眠の観点から医師が解説
「認知症」と「生活習慣病」が密接な関係にあることをご存知でしょうか。生活習慣病というと、「生活習慣によって発症・進行する疾患」と定義されていますが、認知症を防ぐ生活習慣もあるのでしょうか。「里村医院」の里村先生を取材しました。
※この記事はMedical DOCにて【「認知症は誰にでもなり得る病気であることを知ってほしい」エビデンスに基づいた予防法を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
里村 元(里村医院)
編集部
「認知症」と「生活習慣病」は密接な関係にあると聞いたことがあります。本当でしょうか?
里村先生
はい。とくに、年代を問わない糖尿病、中高年期の高血圧と脂質異常症に注意しましょう。対策としては、いわゆる「適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠」が大切です。もう少し具体的に言うと、有酸素運動、日本酒にしたら1日1合程度の適度な飲酒、「地中海食」などが有効とされています。ほかには、赤ワインに含まれるポリフェノールにも注目が集まっていますよね。もちろん禁煙は、認知症予防に限らずおこなうべきです。
編集部
「地中海食」って、あまり聞いたことがありません。
里村先生
ぜひ、「地中海食ピラミッド」で検索してみてください。ピラミッドの頂点は「食べる量を少なくした方がいいもの」、底辺は「多く摂取した方がいいもの」です。WHOが推奨する「認知症予防に効果的な食べ物」をまとめてみると、結果として地中海地方の食生活に近かったことから、「地中海食」という概念が生まれてきました。
編集部
いわゆる「脳トレ」ってどうなのでしょうか。一時、麻雀が注目されました。
里村先生
国立長寿医療研究センターによると、麻雀のように座り続けていないで、脳トレと運動を同時におこなう方が効果的とのことです。同センターは独自に、計算やしりとりなどの脳トレと運動を組み合わせた「コグニサイズ」というプログラムを開発・運用しています。