「ピルの副作用」が出やすい女性の特徴を医師が解説! 将来の妊娠への影響は?
ピルの副作用が出やすい女性の特徴はご存じですか? 今回は、ピルの副作用や将来の妊娠への影響について「松本産婦人科医院」の松本直樹先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【ピルの副作用について産婦人科医が解説「吐き気などの副作用は徐々に軽減する。重い副作用もごく稀なので正しい理解を」】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
松本 直樹(松本産婦人科医院)
編集部
避妊や生理痛の治療のためにピルの服用を考えている女性は多いと思いますが、副作用が心配で二の足を踏んでしまいます。
松本先生
ピルを服用した際に、最も多い副作用の1つが悪心(吐き気)です。より若い女性で悪心が出やすいので、中高校生などでは強く出てしまう患者さんもいます。それでも、だんだんと薬に慣れてこのような副作用も軽減していくので「しばらくは様子を見ながらピルの服用を続けるように」と指導しています。
編集部
ほかにも、ピルによる副作用はありますか?
松本先生
稀ですが、重大な副作用として血栓症が挙げられます。血栓症の発症を早く見つけるために、不自然な頭痛や胸痛、腹痛、下肢の痛み、視野の異常などに注意するようにお伝えしています。とはいえ、ピルによる血栓症の発症頻度は極めて低いため、強く心配する必要はありません。その一方で喫煙者は血栓症のリスクが3倍程度上昇してしまうため、喫煙は控えるように指導しています。また、年齢とともに血栓症のリスクは上昇します。40歳以降の女性でもピルを服用することはできますが、患者さんの状況をみながらピルの終了時期を相談して決めます。なお、遅くとも49歳までにはピルの服用を終了します。
編集部
将来の妊娠への影響も気になります。
松本先生
ピルを服用すると排卵も抑制されます。排卵抑制作用と子宮内膜の菲薄化によって、避妊効果や月経困難症(生理痛などが重いこと)に対する効果が得られるとされています。ピルの服用をやめた後は、速やかにその効果も副作用もなくなります。服用をやめた後に体に悪影響が残ることはありません。つまり、ピルの服用中は妊娠しませんが、服用をやめた後にピルの影響で妊娠しにくい状態になることはないということです。