赤くなくても「血尿」と診断されることがある? 血尿とはどんな状態なのか医師が解説
「血尿」と聞くと、尿が真っ赤になっている症状を想像する方も多いと思います。しかし、血尿には普通の尿と同じ色だったりピンクっぽかったりする色があることをご存知でしょうか。なぜ色に違いが出るのか、さゆりクリニックの藤谷先生に伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【血尿を伴う病気を泌尿器科医が解説 尿路結石・膀胱炎・膀胱がん以外にどんな疾患が起こりうる?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
藤谷 桜子(さゆりクリニック)
編集部
血尿とはそもそもどのように定義されるのでしょうか?
藤谷先生
血尿とは文字通り、尿のなかに血液が混ざった状態のもののことを言います。血尿が出るということは、体内のどこかで出血が起きているということ。尿を作る腎臓や、尿管や膀胱など尿の通り道の疾患が疑われます。
編集部
血尿は必ず赤いのですか?
藤谷先生
赤い色が多いのですが、赤といっても濃い赤だったり、赤茶色だったり、黒っぽかったり、さまざまです。ほかにピンク色の場合もありますし、目で見て血液が混ざっているのはわからなくても、潜血検査で陽性と出る場合もあります。
編集部
なぜ、そのように色の違いがあるのですか?
藤谷先生
体内のどこで出血が起きているかによって、色が変わります。たとえば、膀胱より上の部分で出血が起きていると、体内に尿がとどまる時間が長いので、黒っぽい色や濃い色になったりすることが多く、膀胱より下の部分で出血が起きていると、尿として排泄されるまでの時間が短いのでピンクなどの明るい色をしています。