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健康診断の項目「クレアチニン」とは 数値が高いと“腎臓病”の可能性がある?

 公開日:2024/05/27
クレアチニンとは

健康診断の結果を見てみると、「カタカナやローマ字が多く、何を示しているのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は「赤羽もり内科・腎臓内科」の森先生に、腎機能の項目の一つである「クレアチニン」について、取材しました。

※この記事はMedical DOCにて【クレアチニンが高いと体にどんな影響がある? 日常生活で気をつけるべきことを紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

森 維久郎

監修医師
森 維久郎(赤羽もり内科・腎臓内科)

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三重大学医学部医学科卒業。主に救急医療や腎臓内科の診療を積んだ後の2020年、東京都北区に「赤羽もり内科・腎臓内科」を開院。生活習慣病に注力した看護師、管理栄養士、理学療法士とのチームワークで地域医療に貢献している。日本腎臓学会、日本透析医学会、日本腎臓リハビリテーション学会、日本禁煙学会、日本内科学会、日本糖尿病協会、日本腎臓病協会の各会員。

編集部編集部

血液検査で見かける「クレアチニン」ってなんでしょうか?

森 維久郎医師森先生

クレアチニンは、「筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物」の一種です。腎機能が低下すると尿からクレアチニンが排出できなくなり、血液に溜まるため、腎機能低下の指標として使われます。なお、最近では腎機能の評価として、クレアチニン・年齢・性別の要素を組み込んだ「eGFR」という値が使われます。

編集部編集部

「クレアチニン」以外にも見ている検査項目はありますか?

森 維久郎医師森先生

もう一つ大切なのが、尿検査で測定する「尿タンパク」です。尿タンパクは、腎臓のSOSのような役割を果たす検査項目となっています。わかりやすく整理すると、クレアチニンは「現在の腎臓の状態」、尿タンパクが「未来の腎臓の状態」を反映していると考えることができます。

編集部編集部

「腎臓病」と言える基準はあるのでしょうか?

森 維久郎医師森先生

先ほど触れた「eGFR」が低下していたり、「尿タンパク」が出ていたりする状態が持続していると、腎臓病と診断されます。そのほか、画像検査などで腎臓の異常があっても、腎臓病と診断される可能性があります。そのため、腎臓の評価をするときは「eGFR」だけでなく「尿タンパク」にも注目する必要があります。たとえeGFRが正常値でも、尿タンパクの数値が高ければ、将来的に腎機能が悪くなる可能性があるということです。

編集部編集部

腎機能低下による自覚症状はありますか?

森 維久郎医師森先生

クレアチニンが少しだけ高い場合、自覚症状はほとんどありません。腎機能低下が中等症~重症になると、「むくみ、貧血、倦怠感」などの症状が出ます。実際に私も、「診療をしていてクレアチニンが高いのに医療機関を受診せず放置していて、最近症状が出たため調べてみたところ、かなり腎臓が悪くなっていた」というケースに遭遇します。

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