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「心筋梗塞」が治ったらそこで終わりではない理由 「心不全」へ移行するケース増加

 公開日:2024/05/24
代表的合併症は「心不全」

心筋梗塞での死亡例は、カテーテル治療の普及によって減っている一方、その後に心不全へ移行する症例が増えているそうです。心筋梗塞の治療後の経過観察や別の治療が重要性などについて、宮田医院の宮田先生に詳しく教えてもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【心筋梗塞と併発する上半身の「関連痛(放散痛)」とは? 症状・治療・対策を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

宮田 和幸

監修医師
宮田 和幸(宮田医院)

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名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学病院第一内科ほか、各医療機関で循環器内科や総合内科の診療経験を積む。2013年、愛知県名古屋市に位置する「宮田医院」をリニューアル継承。内科全般を通じた地域医療・予防医療に努めている。日本内科学会認定内科医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本糖尿病協会認定糖尿病認定医。日本心臓リハビリテーション学会、日本糖尿病学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本小児科学会、日本アレルギー学会の各会員。

編集部編集部

心筋梗塞による合併症は、ほかにもありますか?

宮田和幸先生宮田先生

心筋梗塞の合併症で代表的なものは「心不全」です。心不全を簡単に説明すると、「心臓がだんだん悪くなることで息切れやむくみが起こり、生命を縮める病気」です。心筋梗塞による死亡例は、カテーテル治療の普及により減ってきました。その一方、カテーテル治療後に心不全へ移行する症例が増えています。心筋梗塞のときに「どれだけ壊死を起こしたか」で、その後の心不全の軽重が変わってきます。生き残った心臓だけで頑張ろうとすればするほど“疲れて”しまうのです。心臓が疲れてくると全身がむくんできたり、息切れが出やすくなったりします。そのため、様々な薬物療法が必要となってきます。

編集部編集部

心筋梗塞や関連痛が治ったから「終わり」ではないということですね。

宮田和幸先生宮田先生

終わりではありません。治療後も、引き続き経過観察や別の治療が必要になってきます。ということは、心筋梗塞を初期の段階、つまり壊死が広がっていない段階で解決できれば心不全も起きにくいということです。また、心筋梗塞が起きたということは、体のほかの箇所でも血管の詰まりを起こしかけているかもしれません。「血液がサラサラになる薬」を服用しておきましょう。その意味でも、継続した通院が必要です。

編集部編集部

結局、「心筋梗塞は全身の不都合をもたらす」というオチになりませんか?

宮田和幸先生宮田先生

そう言えるかもしれませんね。最近では「全身の血管を包括的に診ていきましょう」という考えが出てきています。心臓の血管が詰まりを起こしているとしたら、心臓以外の脳、頸動脈、足の血管など全身の血管が悪くなっていないか、私たちは血管のイベント全般に注意を向けて診療をしています。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宮田和幸先生宮田先生

一次予防は「病気にならないこと」なのですが、「1つの病気を契機として、次の病気にならないこと」、つまり“二次予防”も非常に大切です。個人的な意見ですが、「心筋梗塞が起きるようなら、全身の血管も悪くなっているだろう」と受けとめています。心筋梗塞の次に脳梗塞を起こすなど、次のイベントを回避していく必要があります。その意味で喫煙されてる方は禁煙をする、血圧をよくするなど二次予防の取り組みが大切です。

この記事の監修医師

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