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糖尿病網膜症の治療法はご存じですか? レーザーで治療できるって本当?

 公開日:2024/04/25
「症状が現れる=末期」!?

糖尿病網膜症の治療では、網膜に特殊なレーザーを照射し、進行を予防するそうです。なぜそれで進行が予防できるのか、イセザキ眼科医院の杉本先生に話を聞きました。

※この記事はMedical DOCにて【糖尿病の三大合併症の1つである「糖尿病網膜症」、末期になるまで自覚症状がないって本当?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

杉本 哲理

監修医師
杉本 哲理(イセザキ眼科医院)

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獨協医科大学医学部卒業。その後、複数の大学病院で眼科医として経験を積む。2018年、神奈川県横浜市中区に位置する「イセザキ眼科医院」の院長に就任。来院した患者さんが、自分の病気を理解して治療に満足し、笑顔で帰れるような治療を心がけている。神奈川県眼科医会理事、横浜市眼科医会常任理事。難病指定医。日本眼科学会CTR認定医。日本糖尿病眼学会、日本網膜硝子体学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本緑内障学会の各会員。

編集部編集部

糖尿病網膜症の治療は、どのようにおこなうのですか?

杉本 哲理先生杉本先生

自覚症状の有無にかかわらず、中期の場合は「網膜光凝固術」というレーザー治療をおこないます。網膜に特殊なレーザーを照射して焼き固め、病気の進行を予防します。

編集部編集部

なぜ、レーザーを照射すると病気の進行が予防できるのですか?

杉本 哲理先生杉本先生

糖尿病網膜症では毛細血管が詰まってしまうため、新しく血管を作ろうとします。これを「新生血管」と言いますが、この血管は非常に脆く出血しやすいのです。そして、出血が原因で様々な症状を引き起こします。そのため、レーザーを照射して網膜を焼くことで、新しい血管が作られなくなり、糖尿病網膜症の進行を防ぎます。

編集部編集部

ほかには、どのような治療法がありますか?

杉本 哲理先生杉本先生

基本的な考え方として、糖尿病の進行を抑えるために血糖コントロールは大切です。とくに、初期の段階であれば、血糖値のコントロールをすることで網膜の出血が改善することもあります。

編集部編集部

なるほど。糖尿病網膜症の治療のためには、根本的な原因である糖尿病の進行を抑えることが大事なのですね。

杉本 哲理先生杉本先生

そのとおりです。もし、糖尿病と診断されたら、内科で血糖値をコントロールするとともに、糖尿病網膜症の進行を最小限で食い止めるために、できるだけ早く眼科を受診しましょう。その時点では網膜に異常がなくても、数カ月から数年してから網膜に異常が出ることも多く、眼科で定期的に眼底検査を受けることが重要です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

杉本 哲理先生杉本先生

糖尿病網膜症は、「症状が現れる=末期」であることが多い病気です。そのため、症状が出ないうちから対処することが重要になってきます。糖尿病と診断されたら、眼科にも受診して眼底を診察してもらいましょう。もし異常がある場合は、糖尿病にも精通している眼科医にかかるのが理想的です。とくに、レーザー治療は目の状態や病気の進行によってレーザー出力のコントロールしたり、打ち方を変更したりする必要があり、医師の習熟が問われる治療法です。可能であれば、糖尿病を専門に扱う眼科医のもとで、治療を受けるようにしましょう。

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