症状が治っても「性病治療」は終わりではない! 性病治療はいつまで続けるべきか医師に聞く
性病治療のゴールは「症状が治ったら」なのでしょうか。完治しないまま、パートナーとの性交渉を再開すると、「ピンポン感染」をしてしまう可能性もあります。一体、いつになったら性病治療は終わったと言えるのか。「新宿駅前クリニック」の蓮池先生に教えていただきました。
※この記事はMedical DOCにて【クラミジアや淋菌による性感染症は、パートナーが無症状でも一緒に受診しないと「無限ループ」に陥る!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
蓮池 林太郎(新宿駅前クリニック)
編集部
仮にパートナーと治療を開始したとして、お互いが治るまで、性交渉はできないのですよね?
蓮池先生
病気によりますが、基本的には控えてもらいます。なお、ここでいう「治る」とは、医師がそう判断したことを意味します。仮に膿などの症状が治まったとしても、菌や感染源がまだ残っているケースが考えられます。医師が調べてみて「完全に菌がいなくなった」と判明するまでが治療期間になります。
編集部
症状が引いても菌が残っていれば、ピンポン感染が再開されてしまうということですか?
蓮池先生
はい。菌やウイルスが残っていれば、ピンポン感染は成立します。ですから、「自覚がなくなったこと」と「治療が終わったこと」は、別で捉えていただきたいのです。なお、性病の中には例外的に、コンドームの着用で防ぎきれないものもあります。そのため、治療終了前に性交渉をするのは避けましょう。
編集部
下半身をフォーカスしがちですが、「口の中」にウイルスが残っている場合もあるのですよね?
蓮池先生
そうですね。キスやオーラルセックスでもピンポン感染が成立するのです。ただし、「お口の中に残っているかもしれない」という状態だと病気疑いが付かないので、自費診療になります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
蓮池先生
ご存じのように、ウイルスは会話をしていても飛沫感染します。ところが、多くの性病は粘膜を介さないとうつらないのです。ですから、そういうタイプの感染症があることを知っていただき、コンドームのような自衛策に努めていただくしかないと願っています。お互いのため、そして人類のために、正しい知識を身につけてください。