【性病の検査】医師が勧めるタイミングは“どちらかに自覚症状が出たら” その理由とは
「性病になってしまったかも……」と思っても、なかなか周りには相談できないと思います。自分で問題を抱え込んでしまった結果、なかなか受診できなかったという方も多いでしょう。一体、性病はどのタイミングで検査を受けるのが望ましいのか。「新宿駅前クリニック」の蓮池先生に教えていただきました。
※この記事はMedical DOCにて【クラミジアや淋菌による性感染症は、パートナーが無症状でも一緒に受診しないと「無限ループ」に陥る!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
蓮池 林太郎(新宿駅前クリニック)
編集部
そもそも、性病に気づかないと受診する気にならないのが本音です。
蓮池先生
クラミジアや淋菌感染による自覚には、必ずしも陰部に限らず性交渉の内容によってはお口の周辺にも生じます。具体的には、膿(うみ)や発疹、水ぶくれ、普段と違う臭い、排尿時の違和感などが挙げられます。他人にうつす可能性がある感染症ということを考えると、「おかしい!」となってからではなく、「もしかしたら?」の段階で受診を推奨します。
編集部
パートナー双方で無自覚な段階から「性病チェック」をしてみるという考えはどうでしょうか?
蓮池先生
そういうカップルも実際にいらっしゃいます。ただし、まったくの無症状だと「病気疑い」とはならないので、自費診療になるかもしれません。一方で自覚症状があれば、保険適用となります。費用面での事情も、受診のハードルを上げている要因なのだと考えます。やはり、一方に自覚症状が出たタイミングでパートナーと一緒に受診していただくのが現実的なのかなと思われます。
編集部
仮に検査してもらうとして、どのような検査をおこなうのでしょうか?
蓮池先生
今回のクラミジアと淋菌に限って言えば、「尿または 腟(ちつ)分泌物」を採取して調べます。しかし、性感染症各種の検査は20種類ほどあり、血液検査やうがい、できものなどの組織を採取して調べるものなど多彩です。そして、それぞれ5000円~1万円ほど費用がかかります。
編集部
全部調べるとなると、検査だけでけっこうな費用がかかりますね……。
蓮池先生
保険診療の範囲であれば、「疑わしい病気」があって、それに対する検査をおこなうわけですから、全種類を実施するようなことはありません。また、自費の自主的な検査にしても、1回の採血で複数の検査がおこなえることもあるので、単純にプラスオンされるわけではないです。加えて、医院によっては「組み合わせコース」などでトータル費用を抑えているところもあります。