メッツ・千賀選手が受けた「PRP療法」のメリットとは? 体への負担は大丈夫?
自身の血液から作製したPRP(多血小板血漿)を体の傷んでいる部分に注入し、人間にもともと備わっている治る力を増大させる「PRP療法」。先日、メジャーリーガーの千賀選手が受けたことでも注目されましたが、どのようなメリットがある治療なのでしょうか。体への負担も気になります。そこで今回は、PRP療法のメリットについて、六本木整形外科内科クリニックの前田先生に教えてもらいました。
監修医師:
前田 真吾(六本木整形外科・内科クリニック)
編集部
PRP療法のメリットを教えてください。
前田先生
まずは、自分自身の血液を利用するため、拒絶反応のリスクが少ないという点が挙げられます。ほかの薬はアレルギーがあって使えないという人も、PRP療法なら安心して受けていただけますし、感染症のリスクもほとんどありません。
編集部
ほかには、どのようなメリットがありますか?
前田先生
患者さんにとって低侵襲であり、体への負荷が少ないということもメリットです。たとえば重度の変形性膝関節症の場合、症状が進行すると、従来は手術を行うしか治療の手立てがありませんでした。しかしPRP療法を使えば、外科手術を行わなくてもすり減った軟骨を再生し、痛みを除去したり、歩行を楽にしたりすることができる可能性があります。このように、患者さんにとって侵襲性が低く、安全に治療を行えることもPRP療法のメリットです。
編集部
これまで手術しか選択肢がなかった人にとっては、ありがたい治療法ですね。
前田先生
また、「入院する必要がなく、通院で治療を受けることができる」ということや、「治療後に日常生活の制限がない」ということもメリットといえるでしょう。
編集部
さまざまなメリットがあるのですね。
前田先生
ほかの治療法で効果が見られなかった場合にも、痛みの軽減が期待できますし、傷ついた細胞の修復を行うことで、自己治癒力を高めることにもつながります。