【医師監修】花粉症治療には終わりがない!? 治療の選び方と目的を見直して
「舌下免疫療法」には、実は治療の終わりがなく、花粉症の治療に対する目的を明確にして慎重に選ぶ必要があります。そこで、花粉症治療の目的や意味について、医師の深谷先生にお聞きしました。
監修医師:
深谷 和正(深谷耳鼻咽喉科クリニック)
編集部
舌下免疫療法に卒業がないとすると、「受ける意味」ってなんでしょうか?
深谷先生
舌下免疫療法の意義は、「人生の一定期間、花粉症の薬をなくせる、あるいは減らせる」ことにあると思います。また、薬による眠気などの副作用も同様です。ですから、一般の処方薬・市販薬に抵抗感のない人や副作用が気にならない人なら、「花粉症の薬で症状を抑え続ける」ことも治療選択肢の1つと言えるでしょう。
編集部
なるほど。花粉症の症状そのものというより、「薬の量や副作用」が主眼なのですか?
深谷先生
そこまでは言いきれません。舌下免疫療法だけで症状を抑えられている患者さんもいらっしゃいますよ。ですが、一般には、免疫のトレーニングが済むまで、処方薬・市販薬の併用をしていきます。そして、処方薬・市販薬の量が次第に少なくなっていって、やがて、3年間程度は不要になるイメージです。
編集部
即効性を問うなら、鼻の粘膜のレーザー治療なども治療選択肢に上がってきますよね。
深谷先生
もちろんです。花粉症の治療方法は、患者さんのお悩みの中身や目的によって変わるでしょう。「即効性なのか持続期間なのか」「手術が嫌なのか平気なのか」「通院の手間を省きたいのかしっかり取り組むのか」など、様々ですよね。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
深谷先生
みなさんが花粉症の治療に何を望まれるのか。その点を事前に整理されてからご相談いただけると、花粉症治療の最適解へスムーズに近づけるはずです。周囲の声より「自分の声」に耳を傾けてみてくださいね。