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【医師に聞く】「下肢静脈瘤」でのレーザー治療は? QOLを下げない?

 公開日:2024/03/12
下肢静脈瘤のレーザー治療

「下肢静脈瘤」になった時、タイプ別に治療方法が変わりますが、そのひとつにレーザー治療があります。そこで、下肢静脈瘤のレーザー治療について医師の橋本先生にお聞きしました。

橋本 千尋

監修医師
橋本 千尋(さいたま静脈瘤クリニック)

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獨協医科大学医学部卒業。その後、獨協医科大学病院循環器内科入局、民間医療機関勤務。2021年、埼玉県川口市に「さいたま静脈瘤クリニック」を開院。下肢静脈瘤を専門に扱うクリニックとして、患者さんのQOLの向上に努めている。日本循環器学会専門医、日本脈管学会脈管専門医、日本内科学会認定医、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医。

編集部編集部

「下肢静脈瘤」の治療の中で、身体症状の伴わない場合はどんな治療方法がありますか?

橋本 千尋先生橋本先生

保険適用があるのは、注射で「血管を固める薬」を投与する治療方法です。自費も含めるとしたら、YAGレーザー熱で毛細血管を破壊する方法もあります。身体症状の伴わないタイプの下肢静脈瘤は見た目の問題なので、保険、つまり公費負担に疑問を感じるドクターもいらっしゃるようです。「身体症状の伴わないタイプ」の治療を扱っていない医療機関もあります。

編集部編集部

固めるにしても焼かれるにしても、治療後の血管はどうなるのですか?

橋本 千尋先生橋本先生

血管として機能していないので、いずれ体に吸収されていきます。「血管を固める薬」を使う方法だと、綺麗に消えるまで1~2年くらいかかることが多いですね。また、注射後の色素沈着を起こす可能性が高いです。他方のYAGレーザー術では、消えるまでの期間も数カ月と短いですし、色素沈着が起きにくいです。ただし、1回のレーザー照射では、なかなか血管が消えません。3~4回の施術が標準的です。

編集部編集部

念のため、自分で治す方法があれば知りたいです。

橋本 千尋先生橋本先生

ご自身では難しいかもしれません。網の目・クモの巣状は、加齢によって皮膚が薄くなり、張りが落ちてくることとも関係しています。ですから、医療用弾性ストッキングやマッサージでは、完全に治らないでしょう。むしろ、年齢と共に増えてくることすらあります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

橋本 千尋先生橋本先生

当院では、自費のYAGレーザーを、保険の硬化療法での自己負担分と遜色ない費用体系でご提供しています。患部の様子を診ながら最小限のレーザー照射で対応しているため、どうしても複数回に分かれます。しかし、色素沈着のリスクを考えると、「身体症状の伴わないタイプ」の下肢静脈瘤に限られますが、レーザー術に分がある印象です。詳しくは、医療機関へお問合わせください。治療にそのまま進むとは限らないので、診断と情報整理だけでもしておくのもよいかもしれません。

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