「アレルギー性鼻炎」の原因・症状をご存知ですか? 風邪との見分け方を医師に聞く
鼻水やくしゃみなどの症状が出ると、まずは「風邪」や「アレルギー性鼻炎」を疑うと思います。似たような症状が起きる2つですが、どのような違いがあるのでしょうか。今回はアレルギー性鼻炎の原因・症状について「山本耳鼻咽喉科」の山本先生を取材しました。
監修医師:
山本 一博(山本耳鼻咽喉科)
編集部
どういった物質を異物として認識してしまうのですか?
山本先生
よくあるのは、ハウスダストやダニ、花粉、カビなどです。とくに患者さんが多いのは花粉症で、花粉の中でもスギやヒノキ、イネ科の植物の花粉は、アレルギー性鼻炎を引き起こしやすいとされています。
編集部
そもそも、なぜ免疫システムの過剰反応が起きるのですか?
山本先生
遺伝的な問題もありますが、疲労やストレス、偏った食生活、不規則な生活なども原因となり得ます。とくに現代人は大気汚染の影響を受けたり、日常的に化学物質に多く触れていたりするため、近年はアレルギー性鼻炎の患者数が増加傾向にあります。
編集部
アレルギー性鼻炎になると、どのような症状がみられますか?
山本先生
鼻や喉、目、耳、頭、皮膚など全身に現れます。鼻に現れる症状として多いのは、「透明でサラサラした鼻水が止まらない」「くしゃみが立て続けに出る」「鼻が詰まって苦しい」などです。喉に現れる症状としては「喉がかゆい」「イガイガする」などが目立ちます。そのほかにも、皮膚がかゆくなったり、頭痛がしたり、集中力がなくなったりと、様々な症状が現れます。
編集部
全身に症状が現れるのですね。
山本先生
そうです。そして、それが風邪と見分けるポイントになります。とくにスギ花粉が飛散する時期は、風邪やインフルエンザが流行する時期と重なっています。そのため、「花粉症と思ったらインフルエンザだった」ということも散見されます。
編集部
アレルギー性鼻炎と風邪やインフルエンザを見分ける方法はありますか?
山本先生
風邪やインフルエンザであれば発熱もありますし、1週間程度で症状がおさまります。一方で花粉症の場合は、熱が出ることはほとんどなく、症状が長く続きます。また、風邪の場合は途中から鼻水の色が濁ってきますが、アレルギー性鼻炎の場合は透明の鼻水が続きます。