「尖圭コンジローマ」の原因はご存知ですか? 性感染症を起こすウイルスを解説
「尖圭コンジローマ」は、性器・肛門周辺にイボのようなブツブツができる性感染症の一種です。感染症というと、細菌やウイルスが原因で発症するイメージですが、尖圭コンジローマはどのような原因で発症するのでしょうか。「新宿駅前クリニック」の蓮池先生に聞きました。
監修医師:
蓮池 林太郎(新宿駅前クリニック)
編集部
尖圭コンジローマは「菌」なのですか?
蓮池先生
菌よりも小さなウイルスによる感染症です。ウイルスは菌と違って抗生物質が効かないので、基本的には「自己免疫力」で治していくしかありません。ただし、薬などで「自己免疫力を高める」とともに、「ウイルスの増殖を抑える」工夫は可能です。外科処置を併用することもありますが、ウイルスが残っている限り「完治」とは言えません。
編集部
コンジローマウイルスという固有株なのでしょうか?
蓮池先生
いいえ、HPV(ヒトパピローマウイルス)という150種類以上あるウイルスの中のいくつかが関係しています。ですが、尖圭コンジローマの診断を付ける際は、ウイルスの有無というより「見た目」で判断します。性感染症の専門家でも鑑別が難しい病気です。
編集部
治療期間はどれくらいかかるのでしょうか?
蓮池先生
最終的には自己免疫力で治すため、どうしても個人差が生じます。仮に塗り薬だけで治りそうなら、2週間分の専用クリームを処方しますので、一定期間ごとに様子を見ましょう。冷凍凝固療法などの外科処置を併用するか否かは、ケース・バイ・ケースです。例えば、尿道の中には塗り薬が使えないので、冷凍凝固療法の適応になります。治りが悪い場合は、10回以上冷凍凝固法を繰り返すこともあります。
編集部
治療の費用体系はどうなっていますか?
蓮池先生
尖圭コンジローマの塗り薬には保険の適用が可能で、3割負担だとすると2週間分の薬価で3,000円前後です。同じく冷凍凝固療法にも保険が使えて、3割負担で1回あたり1,500円前後です。このほかに、処方箋料や診察代がかかる場合もあります。