「花粉症の症状」は「漢方薬」で改善するのか【医師解説】
日本では多くの人が悩まされている「花粉症」。「代官山パークサイドクリニック」の岡宮先生によると、「漢方薬で花粉症の症状を抑えられる」と言います。一体、どのような漢方薬が花粉症対策に効果的なのか。詳しくお話しを伺いしました。
監修医師:
岡宮 裕(代官山パークサイドクリニック)
編集部
一方で、花粉症治療には漢方薬も用いられるのですね。
岡宮先生
はい。漢方薬は自然の植物などを原料にして作られています。そのため、一般的な抗アレルギー薬とは違って、服用後に眠気や口腔内の乾燥などを起こしにくいことが特徴です。また、自分にぴったり合った漢方薬を服用すると、花粉症が改善するだけでなく、ほかの症状にも効果を発揮することがあります。
編集部
「漢方薬は即効性がない」というイメージがあります。
岡宮先生
たしかに「漢方薬は長く飲まなければ効かない」という人がいるのですが、それは正確ではありません。むしろ漢方薬は、自分にぴったり合った薬を適切に使えば、スムーズに症状を抑えることができるのです。
編集部
花粉症治療に用いられる漢方薬には、どのようなものがあるのですか?
岡宮先生
前提として、漢方薬を処方する前に、どのような症状に悩まされているかを知る必要があります。そのうえで、例えば水のような鼻水がだらだらと流れ続けるときには、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」という漢方薬がおすすめです。これは、水のような鼻水や痰(たん)、くしゃみ、鼻づまり、咳などに幅広く効くので、花粉症だけでなく、風邪やほかのアレルギー性鼻炎などでも多く用いられています。
編集部
ほかには、どのような漢方薬を用いるのでしょうか?
岡宮先生
花粉症の主症状が鼻づまりである場合は、「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」を用います。葛根湯といえば、風邪薬でお馴染みの薬ですよね。さらに生薬を加えてつくられている葛根湯加川芎辛夷は、鼻づまりを解消する効果が期待できます。