女性に多い「バセドウ病」「橋本病」を見分ける方法とは? 症状の特徴を医師が解説
イライラして落ち着かなくなったり、外見的に目が突き出しているような印象を与えたりするバセドウ病。疲れやすく、無気力になり、顔も浮腫んでいるように見える橋本病。同じ甲状腺の病気である両者の症状を、Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科の山村先生に詳しく教えてもらいました。
監修医師:
山村 聡(Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科)
編集部
バセドウ病や橋本病を見分ける方法はありますか?
山村先生
どちらも特徴として首元が腫れることがありますが、バセドウ病と橋本病では体に表れる症状や体感はまったく異なります。バセドウ病の場合、発汗が多くて暑がりになりますが、橋本病の場合は寒がりになり、冷えを感じることが多くなります。それからバセドウ病の場合は脈が速くなり、動悸がしたり、心臓がドキドキしたりすることがありますが、橋本病の場合は脈が遅くなります。
編集部
ほかに見分ける方法は?
山村先生
バセドウ病の場合はイライラして落ち着かなくなり、橋本病の場合は疲れやすく、無気力になることが多くなります。
編集部
外見も変わりますか?
山村先生
顔つきをチェックしてみてください。バセドウ病の場合、目が突き出しているように感じることがありますし、目が大きくなったと他人から指摘されることがあります。一方橋本病の場合、顔が浮腫んでいるように見えるかもしれません。
編集部
バセドウ病と橋本病は、まったく異なるのですね。
山村先生
それからバセドウ病の場合は食欲が増し、食事量が増えるのにもかかわらず体重が減り、痩せることがあります。一方、橋本病の場合は、食事量は変わらなくても体重が増えることが多くなります。
編集部
どちらも特徴的な症状が多いので、見分けがつきそうです。初期の頃からこうした症状が表れるのですか?
山村先生
初期の頃から症状が出ることもあるのですが、これらは更年期障害や自律神経失調症などと症状が似ているため、見過ごされてしまうことも少なくありません。橋本病は「無気力になる」「やる気が出ない」といった症状から、うつ病と診断されてしまうこともあります。しかし、甲状腺の疾患を放置すると心不全や動脈硬化などのリスクを高めることにつながってしまうため、気になる症状があったら早めに医師の診察を受けましょう。