「前立腺がん」の予防法は? 『喫煙』はやめるべき? 早期発見についても医師解説
前立腺がんの原因にはさまざまなものが考えられますが、なかでも「喫煙」や肥満、運動不足が要因として挙げられます。予防法や早期発見のために必要な検査について、医師の高田先生にお聞きしました。
監修医師:
高田 将吾(たかだウロクリニック)
編集部
自覚が乏しいと、セルフチェックのしようがないように思うのですが?
高田先生
そうですね。前立腺がんは、ご自身の自覚や触診などで気づけるがんではありません。やはり、自主的なPSA検査の受診にかかってくるでしょう。あるいは尿の悩みを、前立腺肥大症や合併としての前立腺がんに結び付けて考えられるかどうかです。
編集部
喫煙との関係はどうでしょうか? よくタバコは「万病の元」とされていますが?
高田先生
喫煙や肥満も、前立腺がんのファクターです。また、禁煙はもちろんのこと、運動や栄養バランスのとれた食事も予防につながります。ただ、これらは万病の予防法でもありますよね。前立腺がんに固有の予防法となると、前述したように「大豆食品の積極的な摂取」でしょうか。ただし、偏食はしないでください。あくまで、栄養バランスを補う形での「大豆食品の積極的な摂取」です。
編集部
がん全体を考えたとき、ほかのがんの早期発見も気にかかります。
高田先生
胃がんや大腸がんなども心配ですよね。ただし、PSA検査は採血だけでできる“簡便な”方法です。採血検査自体は一般の健康診断でもおこなうので、実質的な手間となると「申込用紙の前立腺がんの項目にチェックを入れるだけ」だと思います。前立腺がんの早期発見を優先したがために、ほかのがんの発見が遅れるということにはなりません。
編集部
読者へのメッセージをお願いします。
高田先生
前立腺がんは、胃がんや大腸がんと比較すると「話題になりにくいがん」という印象です。しかし、男性の罹患率は第一位です。ステージが進むと、転移も起こるでしょうし、薬も効きにくくなります。一方、ロボットを用いた腹腔鏡手術なら短時間で安全ですし、治療痕が目立ちにくく、入院期間も短く済むはずです。「比較的容易に取り除けるリスク」ですので、ぜひ早期発見に努めてください。