ハイパーサーミアを受けられない人はどんな人? がん温熱療法を受ける際の注意点を医師が解説
がん温熱療法「ハイパーサーミア」は副作用が少なく、がん治療の効果を高めてくれる保険適用の治療です。しかし、「全身状態が不安定な人」や「ペースメーカーや植込み型除細動器などを埋め込んでいる人」などは受けることができないといいます。その理由を相武台脳神経外科の加藤先生に伺いました。
監修医師:
加藤 貴弘(相武台脳神経外科)
編集部
ハイパーサーミアは何歳から受けられるのでしょうか?
加藤先生
とくに年齢制限は設けていません。実際に当院では、中学生の患者さんもハイパーサーミアを受けていますよ。
編集部
ハイパーサーミアが受けられない人はいますか?
加藤先生
約1時間、姿勢を保持していただくので、全身状態が不安定な人には基本的にご遠慮いただいています。また、「ペースメーカーや植込み型除細動器、人工内耳などを装着している、または埋め込んでいる人」「加温域内に胆管ステント、消化管ステント、血管ステントなどの金属片を留置している人」「金属粉を含む刺青などをしている人」などは受けることができません。加えて、「妊娠中・出産直後の女性」も受けられません。
編集部
どれくらいの頻度で治療をおこなうのですか?
加藤先生
当院の場合は、1週間に一度治療を受けていただきます。熱に対する効き目をよくするために、少なくとも3日以上は間隔を空けていただいています。
編集部
副作用や治療による痛みはありますか?
加藤先生
むしろ、副作用が少ない点がハイパーサーミアの特徴です。ただし、稀に熱傷や脂肪硬結、脱水などがみられることがあります。また、治療中に痛みや熱さなどを感じる場合は、スタッフにお声がけください。脱水症状が心配であれば、点滴を受けていただきながらハイパーサーミアを受けていただくこともできます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
加藤先生
ハイパーサーミアに関心がある人は、まず医療機関へ問合せて、詳しい説明を受けることをおすすめします。当院でも非常に多くの患者さんがハイパーサーミアを受けており、「体調がよくなる」「効いている感じがする」「体の芯まで温まる感じがする」と、何かしらの効果を実感されています。ハイパーサーミアにご興味がある人は、ぜひ一度、導入している医療機関にお問合わせください。