白内障の手術後に考えられるリスクとは? 再発の可能性もある?【医師解説】
白内障の手術では水晶体を除去するため再発のリスクはないそうです。しかし、「感染性眼内炎」や「後発白内障」になる人はいると眼科医の菅原先生(月寒すがわら眼科院長)は言います。術後の経過観察期間などについても話を聞かせてもらいました。
監修医師:
菅原 敦史(月寒すがわら眼科)
編集部
白内障の手術後、気をつけることは何でしょうか?
菅原先生
「感染に気をつけて、清潔に保つこと」と「目を圧迫するような行動を避けること」は注意したいポイントです。
編集部
白内障の手術後に「保護メガネ」を使用する眼科もあると聞いたことがあります。
菅原先生
日常生活へ早く復帰していただくために、私も積極的に使用することをおすすめしています。保護メガネの目的は、接触・圧迫防止やホコリの遮断などです。安全を第一に考えると就寝中も装用した方がいいのですが、気になって眠れないなどの違和感があるようでしたら主治医にご相談ください。
編集部
手術後、何かアクシデントとして考えられることはありますか?
菅原先生
最も気をつけるべきは「感染性眼内炎」です。2000件に1件程度ですが、診断が遅れると視力低下や失明の危険があります。手術後、見えるようになった目が再び見えにくくなったり、強い痛みを伴う充血が生じたりした場合は、早急に主治医へ連絡しましょう。
編集部
白内障が再発するようなことはないのですか?
菅原先生
水晶体を除去してしまうので、再び白内障になるということはありません。ただし、「手術した直後はよく見えたのに、だんだん見えづらくなってきた」という人は多くいらっしゃいます。おそらく、取り除いた水晶体ではなく、水晶体を支えていた“膜”のような組織が濁る「後発白内障」でしょう。この現象は、レーザー治療によって取り除くことが可能です。ご本人に限らず、術後のご家族やご友人で悩んでいる人がいらっしゃいましたら、眼科を受診するよう勧めていただきたいです。
編集部
その一方で何も起こらなければ、そこで治療は終了ですか?
菅原先生
とくに問題がない場合でも、「手術の翌日」「1週間後」「1カ月後」のそれぞれで、経過観察のための再受診が必要です。手術を受ける際には、その先々のスケジュールに留意してください。