白内障の手術後に生活上で気をつけたいポイントをご存じですか? 医師が理由も解説
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いて人工のレンズを入れ込みます。手術後に気をつけたいポイントは、清潔を保ち感染に気をつけることと、目を圧迫してしまわないことだと眼科医の菅原先生(月寒すがわら眼科)は言います。入浴にも注意が必要だそうです。詳しく教えてもらいました。
監修医師:
菅原 敦史(月寒すがわら眼科)
編集部
白内障の手術をした後、すぐに普通の生活へ戻れるのでしょうか?
菅原先生
目の手術なので怖いイメージはあるかと思いますが、思ったよりも普通に近い生活ができます。ただし、「感染に気をつけて、清潔に保つこと」と「目を圧迫するような行動を避けること」は注意したいポイントです。
編集部
復帰までのスケジュールも知りたいです。
菅原先生
白内障手術直後の注意点をご説明します。洗顔は水で洗うというより、清潔なタオルで拭く程度にしてください。また、首下のシャワーなら手術翌日から可能ですが、入浴は汗が目の中に入ってしまうかもしれないので、1週間程度休んでいただきます。さらに、洗髪も汚れた水が目に入る可能性があるため、数日~1週間は我慢しましょう。
編集部
水泳や温泉も、しばらくはお休みでしょうか?
菅原先生
そうですね。水泳は目に水が入るため、手術の傷が落ち着く1カ月後から再開することが望ましいです。また、温泉には抗生物質の効きづらい菌がいることもあるので、やはり1カ月は待っていただきたいですね。
編集部
仕事の復帰時期も気になります。
菅原先生
目が汚れる恐れのないデスクワークや家事であれば、翌日から始めることができます。他方で汗をかくような仕事の場合は1週間ほど待っていただきたいですね。汚れる危険が高い農作業などなら1カ月ほど休んでもらえるのが理想的です。
編集部
これらのスケジュールは、良い意味でも悪い意味でも個人差が出ないのでしょうか?
菅原先生
はい、出ます。上記は、安全を担保する一般的な基準です。昨今の白内障手術は進歩してきていますので、もっと早くから可能と判断される場合もあります。仕事や生活などでご希望があったら、主治医に相談することをおすすめします。