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【医師解説】「逆流性食道炎」の症状や原因について知っていますか? 加齢や腹圧が関係?

 更新日:2023/12/12

ふとした瞬間に「胃液がこみ上げてくるような感覚になる」「すっぱいものが上がってくる」といった経験はありませんか? それらは逆流性食道炎と呼ばれ、食後などによく起こりますが、なかなか気づきにくいとも言われます。そこで、「逆流性食道炎」について消化器医の染谷先生(北越谷そめやクリニック)にお聞きしました。

染谷 秀忍

監修医師
染谷 秀忍(北越谷そめやクリニック)

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岩手医科大学医学部医学科卒業。順天堂大学大学院医学研究科修了。消化器系の臨床経験を積んだ後の2022年、埼玉県越谷市に「北越谷そめやクリニック」を開院。地元、北越谷にある真言宗豊山派浄光寺の住職でもある。生まれ育った地のかかりつけ医として地域診療に尽くしている。医学博士。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本消化管学会胃腸科認定医、日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医、日本医師会認定産業医。

編集部編集部

「逆流性食道炎」とはどのような症状ですか?

染谷 秀忍先生染谷先生

「逆流性食道炎」は、胃酸などの消化液が食道へ逆流することによって、食道を荒れさせてしまう症状です。食道と胃の境目には下部食道括約筋による胃液逆流を防止する機能があって、逆流しないようにしています。この機能が不十分になることで、逆流を許してしまう仕組みです。

編集部編集部

「食道と胃の境目には下部食道括約筋による胃液逆流を防止する機能がある」とのことですが、胃は胃液が触れても平気なのに食道が荒れてしまう理由はなんでしょうか?

染谷 秀忍先生染谷先生

胃と比べて、食道の粘膜の方が弱いからです。胃は酸で食べ物を溶かしても平気なように、強力な粘膜で覆われています。自分で自分を溶かさないためです。一方、食道に胃酸が入ることは想定していません。通常なら、胃液逆流を防止する機能が働いてくれるからです。

編集部編集部

なるほど。では、その下部食道括約筋が十分に機能しなくなる理由はなんでしょうか?

染谷 秀忍先生染谷先生

いくつかあります。端的なのは「加齢要因」で、単純に締め付ける筋肉の筋力が低下するからです。寝ているときなどのように重力の影響を受けないと、“筋肉の力で防ぐ”しかありません。ほか、若い人にもみられるのは「肥満による腹圧」でしょうか。胃に圧がかかると、内容物は逆流しやすくなります。なお、猫背のような姿勢でも腹圧は高まります。

編集部編集部

ほかにも、逆流性食道炎と関連の深いファクターはありますか?

染谷 秀忍先生染谷先生

加齢や腹圧と関連して、「食道裂孔(れっこう)ヘルニア」になると、逆流性食道炎を起こしやすいですね。食道裂孔ヘルニアとは、胃の上部が腹圧によって押し上げられ、締め付ける筋肉よりも上に飛び出てしまう症状です。こうなると、胃酸の逆流が抑えにくくなります。

編集部まとめ

「逆流性食道炎」は、胃酸などの消化液が食道へ逆流することで不快な症状が誘発されるそうですが、原因には加齢や腹圧があるそうです。原因を知れば、対策ができると思いますので、なにか不快な症状が現れたら内科や消化器内科などに相談へ行くようにしましょう。

この記事の監修医師

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