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【医師解説】コーヒーを飲んで何度もトイレに行く…脱水の心配は? 体に影響はある?

 公開日:2023/12/15

コーヒーを飲むとトイレに行きたくなるのは、腎臓での水分の再吸収が抑制されるためだそうです。一見、水分をため込まないから良いのでは? と思う方もいるかもしれませんが、コーヒーばかり飲んでトイレに何度も行くのは身体によくないのでしょうか。「つくばウロケアクリニック」の黄鼎文(ファン・ティンウェン)先生に話を聞きました。

黄 鼎文

監修医師
黄 鼎文(つくばウロケアクリニック)

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筑波大学医学専門学群卒業。川口市立医療センターにて初期研修、埼玉県立がんセンター泌尿器科、土浦協同病院泌尿器科、厚生中央病院泌尿器科にて後期研修を修了。昭和大学横浜市北部病院女性骨盤底再建センターにて助教、亀田総合病院ウロギネコロジーセンターにて医長、亀田総合病院泌尿器科にて医長、牛久愛和総合病院泌尿器科にて医長を務める。専門分野は女性泌尿器科、泌尿器一般。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本排尿機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会(現・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会)腹腔鏡技術認定の資格を持つ。

編集部編集部

コーヒーを飲むことで何度もトイレに行きたくなるメカニズムは分かりましたが、なにかメリット・デメリットはありますか?

黄 鼎文先生黄先生

健康な場合には、これといったメリットはないように思います。そもそも、腎臓には体内の老廃物や不要になった水分を濃縮して排泄する役割があります。利尿作用が加われば、より排出する作用が促進されるのです。そのため、医療の現場では、心臓や腎臓の機能が低下して尿が作られにくくなった方に対し、利尿剤を投与するなどの治療が行われているのです。しかし、健康な方の場合には、体内の状況に応じて腎臓が尿量を調整しています。利尿作用によって、多少のむくみが軽減するなどの効果は期待できるかもしれませんが、メリットといえるほどではないかもしれません。

編集部編集部

では、デメリットはありますか?

黄 鼎文先生黄先生

一部では脱水を懸念する声もあるようですが、さまざまな研究結果からもカフェインの利尿作用による脱水の可能性は低いといわれています。私たちの体は、定期的にカフェインを摂取すると耐性ができて、カフェインの利尿作用が低減されるといわれています。そのため、毎日コーヒーなどからカフェインを摂取していても、脱水症状を招く可能性は低いと考えられます。

編集部編集部

デメリットはないものの、コーヒーを飲んで何度もトイレに行きたくなる人はいるようですね。

黄 鼎文先生黄先生

そうですね。それを避けたいのであれば、コーヒーを飲むときには一度にたくさん飲まないようにして、適量の範囲で嗜むことが重要といえるでしょう。

編集部まとめ

コーヒーをたくさん飲んだ結果、何度もトイレに行くことによる脱水の心配は少なそうです。一方で、カフェインの摂りすぎは身体に負担をかける可能性もあるので、1日2~3杯程度に控えるのがよさそうです。

この記事の監修医師

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