FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 【医師解説】コーヒーは腎臓に負担をかけるって本当? 一日の摂取量は何mlぐらいが良い?

【医師解説】コーヒーは腎臓に負担をかけるって本当? 一日の摂取量は何mlぐらいが良い?

 更新日:2023/12/12

コーヒーを飲みすぎることで、腎臓での水分の再吸収が抑制されてしまい、利尿作用が強くなるそうです。脱水になることはありませんが、コーヒーが腎臓に負担をかける可能性はあるのでしょうか? コーヒーと腎臓の関係について「つくばウロケアクリニック」の黄鼎文(ファン・ティンウェン)先生に話を聞きました。

黄 鼎文

監修医師
黄 鼎文(つくばウロケアクリニック)

プロフィールをもっと見る
筑波大学医学専門学群卒業。川口市立医療センターにて初期研修、埼玉県立がんセンター泌尿器科、土浦協同病院泌尿器科、厚生中央病院泌尿器科にて後期研修を修了。昭和大学横浜市北部病院女性骨盤底再建センターにて助教、亀田総合病院ウロギネコロジーセンターにて医長、亀田総合病院泌尿器科にて医長、牛久愛和総合病院泌尿器科にて医長を務める。専門分野は女性泌尿器科、泌尿器一般。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本排尿機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会(現・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会)腹腔鏡技術認定の資格を持つ。

編集部編集部

コーヒーを飲むことで腎臓に負担をかけてしまうことはありますか?

黄 鼎文先生黄先生

健康な場合には、適量のコーヒーであれば腎臓に負担をかけてしまうことはありません。しかし、腎臓病などを発症し、腎機能が低下している方は注意が必要です。

編集部編集部

それはどうしてなのでしょうか?

黄 鼎文先生黄先生

コーヒーにはカフェインのほか「カリウム」が含まれます。カリウムはミネラルの一種で、通常は尿として体外へ排出されます。しかし、腎機能が低下していると、カリウムを排出することが困難になってしまい、血液中のカリウムの濃度が高くなります。

編集部編集部

血液中のカリウム濃度が高くなるとどうなるのですか?

黄 鼎文先生黄先生

カリウムの数値があまり高くなってしまうと、腎機能の更なる悪化を招くほか、心臓に悪影響を及す恐れもあるのです。そのため、腎臓病の方は、カリウムの摂取制限が必要になることがあります。たとえば、腎臓病で人工透析治療中の方は、カリウムの摂取量を一日に2000mg以下に抑えるよう指導をおこなっています。腎臓病で治療を受けていてもコーヒーを飲んではいけないということはありませんが、カリウムはコーヒー以外にもさまざまな食品に含まれるため、注意が必要です。

編集部編集部

では、健康な場合、コーヒーは1日何mlくらいが適量なのでしょうか?

黄 鼎文先生黄先生

日本ではカフェインの摂取基準を明確に定めていませんが、1日のカフェインの摂取量は、コーヒーに換算して4~5杯までが適量といわれています。しかし、コーヒー以外にも紅茶や緑茶、エナジードリンク、コーラなどの清涼飲料水などにもカフェインが含まれているため、コーヒーのほかこのような飲料を飲んでいるという場合には注意が必要です。1日のカフェイン摂取量を意識しながら、何を飲むか選ぶように気を付けた方が良いでしょう。

編集部編集部

コーヒーを飲んでもトイレが近くならない方法はありますか?

黄 鼎文先生黄先生

カフェインレスのものを選んだり、寝る前にはコーヒーを飲まないようにしたりすると良いでしょう。寝る前にカフェインを大量に摂ってしまうと、カフェインの覚醒作用で眠れなくなってしまう可能性があります。そうすると、コーヒー自体の水分に加えて、利尿作用、覚醒作用も加わり、それらの相乗効果(起きている時間が長いとその分トイレにも行く)によって、よりトイレが近く感じてしまうことが考えられます。利尿作用に個人差はありますが、夜間にトイレで起きてしまうこともあるので、寝る前にコーヒーをたくさん飲むのは控えた方が良いでしょう。

編集部編集部

ありがとうございました。最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

黄 鼎文先生黄先生

カフェインは、コーヒーだけでなくさまざま飲み物に含まれています。たとえば、普段緑茶や紅茶を飲むという場合には、それに加えてコーヒーも飲むことで、それぞれは適量だったとしても、結果的にカフェインの摂取量が増えてしまいます。そのためトイレが近いことが嫌な場合、普段の飲食物にカフェインが含まれているかを把握し、それらを飲み過ぎないよう気を付けた方が良いでしょう。

編集部まとめ

夜間に多量のコーヒーを飲んでしまうと、利尿作用に覚醒作用も相乗してトイレの回数が増えてしまう恐れがあるとのことです。コーヒーは適量に留め、夜間は飲まないよう心がけましょう。

この記事の監修医師

注目記事