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「急性心不全の症状」はご存知ですか?初期症状も医師が徹底解説!

 公開日:2025/11/27
急性心不全の症状とは?Medical DOC監修医が急性心不全の症状・初期症状・慢性心不全との違いなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「急性心不全の症状」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小鷹 悠二

監修医師
小鷹 悠二(おだかクリニック)

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福島県立医科大学医学部卒業 / 専門は循環器内科 / 2009/4月~2013/3月 宮城厚生協会坂総合病院 / 2013/4月~2017/3月 東北大学病院循環器内科・同大学院 医員 / 2017/4月~2018/5月 仙台オープン病院 循環器内科医長 / 2018/5月~ おだかクリニック 副院長 / 診療所での外来業務に加え、産業医、学校医としての業務も行っている。

「急性心不全」とは?

心臓は血液を送り出すポンプの働きをしており、体の血液を循環させる中心的な働きをしています。 心臓のこのような血液を送り出すポンプの作用が低下し、うまく血液が送り出せなくなってしまった状態を、心不全と呼びます。 そして心不全が急に出現した場合には、急性心不全と呼ばれます。

「急性心不全」と「慢性心不全」の違いとは?

心不全は、血液を送り出すポンプの働きをしている、心臓の働きが低下してしまった状態です。心不全の状態が、突然生じてしまった状態が「急性心不全」と呼ばれます。 心筋梗塞などの冠動脈疾患や、不整脈、心臓弁膜症、心筋症などの病気が原因となることが多いですが、中には重度の敗血症や、全身性の疾患によって引き起こされることもあります。 一方、慢性心不全というのは心不全の状態が日常的に生じている状態であり、安定していればほとんど症状がないこともありますが、日常生活に支障をきたすような症状を常に伴う状態のこともあります。治療によって安定した状態となっていても、感染症などを契機として悪化する、「慢性心不全の急性増悪」を生じると急性心不全と同様の状態となってしまいます。

急性心不全の代表的な症状

心不全はいろいろな病気が原因で引き起こされることがあるため、その症状もさまざまなものがあります。ここでは、代表的な心不全の症状について解説します。

息切れ、呼吸の苦しさ(呼吸困難感)

心不全症状を引き起こした場合に生じやすい代表的な症状の一つです。 心不全症状での典型的な呼吸苦症状は、横になった際に心負荷で肺にたまった胸水が肺全体に広がるため呼吸の苦しさが悪化し、体を起こすと楽になる起坐呼吸という症状があります。 それ以外にも、動いたときに息切れが出現し易くなることもあるため、それまでできていた動作で息が切れるようになってきた際には、心不全の可能性も疑う必要があるため、早めに病院を受診する必要があります。起坐呼吸は心不全が急に進行した場合などによく生じるため、自覚する場合には救急外来の受診など、速やかな受診が必要です。 動くのが大変な呼吸困難が生じる際には緊急性が高い可能性もあるため、救急要請を検討しましょう。

胸痛

心筋梗塞や狭心症だけでなく、心不全や心臓弁膜症などの疾患でも、冠動脈の血流が低下してしまうと胸痛を生じます。典型的な心臓の血流障害の症状としては、胸の中心~左側の締め付けられる様な、押しつぶされるような強い胸痛であり、冷や汗を伴うような強い症状のことも多く、左肩~顎や奥歯まで苦しくなる放散痛を伴うこともあります。 数分で改善しないような強い胸痛の場合は、速やかな救急要請が必要となる、緊急性が高い状態となっている可能性が高いです。 もし短時間で落ち着いたとしても、それまでなかった症状が出現している際には早期の循環器科受診が必要です。

動悸

不整脈が出現した際や、心不全で呼吸が苦しくなる時に出現することが多いです。 ただ、動悸と一言で表現しても、さまざまな症状を動悸と表現することがあります。そのため、動悸の場合には脈が速い状態なのか、脈の乱れがあるのか、脈が速くも乱れてもいないが鼓動だけ強く感じるのか、ということが伝えられると、より早い段階で診断・治療に結び付けることができます。 動悸以外に胸痛や強い呼吸苦症状を伴う場合には緊急性が高い可能性があるため、救急要請も検討が必要です。 短時間で改善する、症状はあるが軽い場合には早めに循環器科を受診することを検討しましょう。 強い動悸やめまい・ふらつき・失神などの症状がある際には、無理に動かず、横になって楽な姿勢を取り、速やかに救急要請をする必要があります。

めまい、ふらつき、失神

心不全によって体の血液の循環に障害が生じたり、脈がゆっくりとなる不整脈や心臓弁膜症などで出現することがあります。 症状を自覚したら、まずは転倒・失神などをしないように座り込むか横になりましょう。 そして可能であれば自分で脈をチェックし、脈の速さの異常や乱れがないかを確認してください。 脈がゆっくりになり過ぎる不整脈が原因の場合には、ペースメーカー埋め込み術などが必要となることがあります。 失神まで起こす場合は、緊急での処置を必要とする状態の可能性もあるため、できる限り速やかな受診が必要です。 心臓病が原因の失神は、徐々に気が遠くなるというよりは、突然ブツンと意識がなくなる、気が付いたら倒れていたというタイプの症状が多いため、このような症状では特に注意が必要です。

急性心不全の前兆となる初期症状

発症すると入院が必要となり、重症化する危険もある急性心不全ですが、初期の段階で症状が出現していることもあるため、下記のような症状がある際には注意が必要であり、速やかな受診が必要です。

これまでできていた動作での息切れ、胸の苦しさ

急性心不全の症状として強い息切れや呼吸困難などの症状がありますが、初期の段階としては、それまでできていた動作での息切れや胸の苦しさを自覚することがあります。 例えば、坂道や階段、仕事での肉体労働などで、以前よりも息切れが目立つ、胸が苦しくなる、一休みしないと続けられなくなる、といった症状で出現することがあります。

動悸

心不全を発症すると強い動悸を自覚したり、危険な不整脈が多発・持続する状態となることもありますが、前兆として時々脈が飛ぶ、短時間のドキドキするような頻脈・動悸を自覚するといった、比較的軽い動悸症状が先行することがあります。

「急性心不全の症状」についてよくある質問

ここまで急性心不全の症状などを紹介しました。ここでは「急性心不全の症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

若い人の急性心不全の初期症状について教えてください。

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

若年者でも高齢者でも、基本的に初期症状は変わりません。初期の段階としては、それまでできていた動作での息切れや胸の苦しさを自覚することがありますので、坂道や階段、仕事での肉体労働などで、以前よりも息切れが目立つ、胸が苦しくなる、一休みしないと続けられなくなる、といった症状で出現することがあります。 このような症状を自覚する際には、若い方であっても早期に受診をしていただくのが大切です。

急性心不全は何歳以上に多い疾患ですか?

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

基本的には、生活習慣病などが原因で動脈硬化が進行して引き起こされる心疾患などが原因となることが多いため、60歳以上の高齢者に多い病気です。ただし、近年では食生活の欧米化に伴い若年者でも動脈硬化疾患を発症することが増えていることや、若い方でも生じるような不整脈や先天性疾患(生まれつきの異常)などが原因で生じることもあるため、若い方でも発症することはあります。

編集部まとめ

急性心不全は発症すると命にかかわることもある危険な状態です。 疑われるような症状が出現した際には、できるだけ速やかに病院を受診することが何より大切です。 普段ない症状が急に出現したときには、すぐに循環器科や救急外来の受診を検討し、症状が強い場合には救急要請をするようにしましょう。

「急性心不全の症状」と関連する病気

「急性心不全の症状」と関連する病気は5個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

心不全は生活習慣病や心疾患が原因となることが多く、高齢の方ほど起こしやすいという特徴もあります。

「急性心不全の症状」と関連する症状

「急性心不全の症状」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 息切れ、呼吸が苦しい
  • 浮腫、体重増加
上記のような疑わしい症状が出現した際には、速やかに病院を受診することが重要です。

この記事の監修医師

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