「急性心不全になりやすい人の特徴」はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

急性心不全になりやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が急性心不全になりやすい人の特徴・セルフチェック法・予防法などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「急性心不全の症状」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小鷹 悠二(おだかクリニック)
目次 -INDEX-
「急性心不全」とは?
心臓は血液を送り出すポンプの働きをしており、体の血液を循環させる中心的な働きをしています。
心臓のこのような血液を送り出すポンプの作用が低下し、うまく血液が送り出せなくなってしまった状態を、心不全と呼びます。
そして心不全が急に出現した場合には、急性心不全と呼ばれます。
急性心不全になりやすい人の特徴
急性心不全は、生活習慣病や心臓疾患が原因で生じることが多いため、高血圧や脂質異常症、糖尿病で治療をしている方、心臓の病気がある方は注意が必要です。
また、喫煙や過度の飲酒、高度の肥満や運動不足などによって生活習慣病を引き起こし、心不全を起こしやすく、高齢の方ほど起こしやすくなります。
生活習慣病がある方
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病によって、動脈硬化の進行や心臓の負担が増えることで心疾患を引き起こし、心不全を発症しやすくなります。
特に治療期間が長い、未治療の状態などは高リスクとなるため、しっかりと通院・治療をすることが必要です。
心臓の病気がある
急性心不全の原因として、心筋梗塞や不整脈、弁膜症などさまざまな心臓の病気があります。
これまでなかった胸痛や動悸、息切れなどの症状が出現する場合には心不全の危険もあるため、早期に病院を受診することが重要です。
症状が強い場合、改善しない場合には緊急性が高くなるため、救急要請が必要となることもあります。
元々心臓病を指摘されている、病歴がある人は、通院・治療をしっかり継続し、定期的に検査を受けて心臓の状態を評価することが大切です。
高齢者
基本的には高齢になるほど動脈硬化が進行しやすく、さまざまな病気を持っていることも多いため、高齢であること自体が心不全の大きなリスク因子です。
生活習慣がみだれている人
生活習慣病や心疾患は、不適切な生活習慣によって引き起こされることが多いです。
塩分やカロリーの取りすぎ、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足、不規則な生活リズム、過度のストレスなどは急性心不全の原因となるさまざまな病気を引き起こすため、注意が必要です。
すぐに病院へ行くべき「急性心不全の症状」
ここまでは急性心不全の前兆を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
突然出現する息切れや呼吸困難、胸痛、動悸などの症状が出現した場合は、速やかに循環器科や救急外来へ
急性心不全は命にかかわるような危険な病気が原因となっていることも多い、恐ろしい状態です。突然発症する呼吸困難や胸痛、動悸などが出現した際には、大至急循環器科や救急外来の受診が必要です。症状が強い場合には、1分1秒を争う状態の可能性もあるため救急要請を速やかに行うことが大切です。
受診・予防の目安となる「急性心不全の症状」のセルフチェック法
・突然出現した呼吸困難・息切れなどの症状がある場合
・突然出現した胸痛がある場合
・突然出現した動悸がある場合
急性心不全を予防する方法
心不全は生活習慣病や心疾患が原因となることが多く、発症を予防するためには血圧や脂質、血糖が高くならないようにすることが非常に重要となります。
生活習慣に気をつける
多くの心疾患は動脈硬化が原因となるため、最も基本的な点は生活習慣に気をつけることです。気をつけるポイントとしては、以下のような点があります。
・塩分をとり過ぎない:1日の塩分量は6g以下を意識する
・カロリーをとり過ぎない:通常成人では、年齢や活動量に応じて1800-2600kcal程度のカロリー摂取が推奨されます。さらに、野菜や果物の積極的な摂取、脂分が多い食品をとり過ぎないことが推奨されます。
・太り過ぎない:BMI(体重[kg]÷身長[m]2)25未満を心がける
・運動習慣:軽く汗ばむ位の有酸素運動を1日60分(歩行なら1日8000歩以上)行う
・節酒:エタノールとして1日、男性20-30ml(日本酒1合、ビール中瓶2本、焼酎0.5合、ワイン2杯、ウイスキーダブル1杯に相当)、女性は約半分の10-20ml以下の制限が推奨されます。
・禁煙:喫煙は高血圧、心臓・脳血管疾患、肺疾患、悪性腫瘍など、さまざまな疾患リスクとなることが証明されています。
健康診断、定期的な検査を受ける
心不全の原因となる疾患の多くは、高血圧などの生活習慣病や、心臓の異常であるため、定期的に健康診断を受けて、身体診察、心電図やレントゲン、採血検査などを受けることで早期の診断、早期治療に繋げることが可能です。
より早い段階で診断・治療を行うことで、危険な状態になるまで病気を放置することがなくなり、心臓発作の予防になります。
治療している病気をしっかりコントロールする
心不全の原因となるような病気は、生活習慣病や慢性的な心臓病が多く、適切な治療を受けることで病気の進行や心臓に過度の負荷がかかることを防止することができます。
高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病や慢性的な心臓病は、治療が不十分であったり、治療を中断してしまうと動脈硬化を進行させ、心臓の負担を増やし、心不全の原因となるような心疾患を引き起こしてしまいます。内服をしっかり継続すること、医師による定期的な病状評価をうけること(診察や検査)、治療が不十分であれば治療強化を検討することが非常に重要です。
「急性心不全の症状」についてよくある質問
ここまで急性心不全の症状などを紹介しました。ここでは「急性心不全の症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
若い人の急性心不全の初期症状について教えてください。
小鷹 悠二 医師
若年者でも高齢者でも、基本的に初期症状は変わりません。初期の段階としては、それまでできていた動作での息切れや胸の苦しさを自覚することがありますので、坂道や階段、仕事での肉体労働などで、以前よりも息切れが目立つ、胸が苦しくなる、一休みしないと続けられなくなる、といった症状で出現することがあります。
このような症状を自覚する際には、若い方であっても早期に受診をしていただくのが大切です。
急性心不全は何歳以上に多い疾患ですか?
小鷹 悠二 医師
基本的には、生活習慣病などが原因で動脈硬化が進行して引き起こされる心疾患などが原因となることが多いため、60歳以上の高齢者に多い病気です。ただし、近年では食生活の欧米化に伴い若年者でも動脈硬化疾患を発症することが増えていることや、若い方でも生じるような不整脈や先天性疾患(生まれつきの異常)などが原因で生じることもあるため、若い方でも発症することはあります。
編集部まとめ
急性心不全は発症すると命にかかわることもある危険な状態です。
疑われるような症状が出現した際には、できるだけ速やかに病院を受診することが何より大切です。
普段ない症状が急に出現したときには、すぐに循環器科や救急外来の受診を検討し、症状が強い場合には救急要請をするようにしましょう。
「急性心不全の症状」と関連する病気
「急性心不全の症状」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
心不全は生活習慣病や心疾患が原因となることが多く、高齢の方ほど起こしやすいという特徴もあります。
「急性心不全の症状」と関連する症状
「急性心不全の症状」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
上記のような疑わしい症状が出現した際には、速やかに病院を受診することが重要です。