尿が泡立ったら腎臓のSOS?「尿蛋白」が出た時に注意すべき“自覚症状”を医師が解説!

尿蛋白が出ている場合、どのような状態が特に注意が必要なのでしょうか?メディカルドック監修医が、再検査を検討すべきケースや、高血圧・糖尿病などの基礎疾患との関係、むくみなどの自覚症状について詳しく解説します。気になる症状がある場合は、迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「尿蛋白が出やすい人におすすめの食事」はご存知ですか?原因や注意点も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
尿蛋白とは?
尿蛋白とは、尿の中に通常より多くの蛋白がみられる状態です。通常は、1日あたり150mg以上の蛋白が尿中にみられることはありません。しかし、さまざまな原因から尿に蛋白が多く出てしまうことがあります。高血圧や腎炎、糖尿病などで尿蛋白がみられることがあり、早めに気が付くことで腎臓病が悪化する前に治療を開始することができます。
尿蛋白とは?
尿蛋白とは、尿に通常以上に蛋白が漏れ出てしまっている状態です。通常であれば、尿の中には蛋白はほとんどなく、1日に150mg未満ですが、腎臓의糸球体や尿細管などが障害されると蛋白が尿に漏れ出てしまう様になります。軽度では症状がないことが多いです。しかし、尿蛋白量が増加すると、血液中の蛋白濃度が低下し、浮腫が起こりやすくなります。
尿蛋白は何の検査で調べる?
尿蛋白の有無についての検査は、試験紙法で行われます。この検査で、尿蛋白の濃度を測定し、結果を(-)~(4+)で表します。試験紙法で尿蛋白濃度が±の場合は、おおむね15mg/dL以上です。しかし、尿が濃縮されている場合には正常でも±~+と判定されることもあります。一般的に±以上では再検査がすすめられます。または、尿の定量検査で尿蛋白の実際の濃度を測定し、尿中のクレアチニンの濃度との比で一日当たりの尿蛋白の推定量を測定するのが一般的です。この蛋白量が150mg/dLを超えた場合、尿蛋白が陽性と判断されます。
尿蛋白が検出された人はどんな病気のリスクがある?
尿蛋白が持続して陽性と判断された場合、腎臓病である可能性が高いです。尿蛋白が陽性の場合、糸球体腎炎や膠原病、生活習慣病(高血圧や糖尿病など)、多発性骨髄腫などの病気に伴う腎臓病の可能性があります。診察での所見や、血液検査や尿沈渣などを含めた精密検査を基にどのような原因が考えられるか判断します。最終的には、腎生検を行い病理検査での所見で原因が分かることも多いです。
しかし、このような病気ではなくとも、一時的に蛋白尿がみられることもあるため注意をしなければなりません。尿検査の際に、発熱や激しい運動、蛋白の過剰摂取をしている場合には尿蛋白が陽性となる事もあります。このような場合には、考えられる原因を取り除き、再度尿検査をして判断しましょう。また、随時尿では尿蛋白陽性でも早朝尿では陰性となる体位性蛋白尿であることもあります。体位性蛋白尿は一般的に予後が良好で治療は不要であり、経過観察をすることが多いです。
発熱時・激しい運動後の尿検査
風邪などで体調不良時や発熱時には尿蛋白が出やすいです。また、激しく運動した直後にも尿蛋白が出やすくなります。このため、健康診断などで尿検査をする場合には、体調が悪い時を避けた方が良いでしょう。また、尿検査をする前に激しい運動をしないように注意をしましょう。
尿検査で陽性と診断され、このようなことが疑われる場合には再検査を受けることをおすすめします。
脱水状態での尿検査
脱水の場合、尿は濃縮尿となります。尿蛋白の濃度も濃縮されて濃くなっているため、尿蛋白は陽性となりやすいです。水分をしっかりと摂取して脱水を防いで検査を受けましょう。
月経中の女性の尿検査
生理中は、尿に経血が混ざってしまうことが多いです。見た目ではわからなくとも、尿潜血や蛋白が陽性となる事が多いです。なるべく月経前後での尿検査は避けましょう。もし、健康診断が月経と重なってしまう場合には、その旨を健診機関に話してみましょう。
やせ型の子どもの尿検査
やせ型の子供では、横になって安静にしているときには異常がないにも関わらず、起きると蛋白尿がみられることがあります。これは、立位をとった時にやせ型のために腎臓が圧迫されることで蛋白尿が出ると考えられています。このように起立しているときのみ蛋白尿が出ることを体位性蛋白尿と呼び、これを診断するためには早朝尿では蛋白が陰性であることを確認することが大切です。このような子供の体位性蛋白尿は成長とともに改善するため、治療や生活の制限などは一般的に必要ありません。
尿蛋白が出ていて注意が必要な場合とは?
尿検査・健康診断で継続的に尿蛋白の陽性が出ている
尿蛋白がみられた場合でも、一過性であれば問題ありません。先に解説したように、風邪などの体調不良、発熱などの影響や、激しい運動による蛋白尿の可能性もあるからです。しかし、何度か尿検査を行い尿蛋白が持続して出ている場合には注意が必要です。腎臓内科を受診して相談をしましょう。
高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある
高血圧や糖尿病がある場合、腎臓の障害を起こしやすいです。この場合、尿蛋白が出ていることは腎臓の障害が進行しているサインであると考えられます。血圧をコントロールし、また血糖値をコントロールすることで腎障害の進行を抑制することができます。まず、このような生活習慣をもっている場合、生活習慣病をしっかりと治療して管理することが非常に大切です。
むくみ・尿の異常などの自覚症状がある
尿蛋白が多く出ている場合、血液中の蛋白濃度が低下することがあります。この場合、下腿を中心にむくみがみられやすくなります。進行すると、体や顔もむくむことも少なくありません。また、尿蛋白が多くなると、尿が泡立つこともあります。しかし、尿の泡立ちは蛋白尿が出ていなくともみられることもあるため、泡立ちが気になる時には尿検査を受けてみましょう。また、血尿がみられる場合、尿が赤くなったり、ピンク色に見えるたりすることもあります。このような尿の色の変化がある場合には早めに尿検査を行い、調べるようにしましょう。
「尿蛋白が出やすい人の食事」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿蛋白が出やすい人の食事」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
健診で尿蛋白が出たのですが食事の塩分がどのくらいまでなら腎臓に負担がかかりませんか?
伊藤 陽子(医師)
健診で尿蛋白が出た場合、まず尿蛋白が持続して出ているか確認をする必要があります。もし、尿蛋白が持続している場合には、腎臓に負担がかからないように1日当たり6g未満の塩分制限を行うことがすすめられます。
尿タンパクが陽性で血圧が高めの人はどんな食事を意識すべきですか?
伊藤 陽子(医師)
尿蛋白が陽性で、血圧が高い場合、まずは減塩食がすすめられます。1日当たりの塩分量を6g未満として食事療法を行いましょう。また、腎機能の低下もみられる場合には、蛋白制限が必要なこともあります。詳しくは主治医に確認をしましょう。
尿蛋白を改善する飲み物はありますか?
伊藤 陽子(医師)
残念ながら尿蛋白を改善する飲み物はありません。減塩をすすめて食事療法を行いましょう。尿蛋白を悪化させる飲み物として、たんぱくを過剰に摂取するプロテイン飲料が挙げられます。蛋白制限が必要なくとも、たんぱくの過剰摂取は勧められません。蛋白尿が出ている方では、プロテインの摂取は避けましょう。
まとめ 尿蛋白が出やすい人の食事はまず減塩!
尿蛋白が出ている場合、一過性のものでは問題がありませんが、持続する場合には腎臓病の可能性があります。腎臓病では、まず減塩を行うことで、腎機能低下の進行を防ぐことができるため、1日6g未満の塩分制限がすすめられます。尿蛋白を指摘されたら、まず減塩から気をつけましょう。
また、専門医を受診して腎機能低下などを伴う場合には蛋白制限が必要な場合もあります。それぞれの病態により制限の内容が異なりますので、まず主治医に確認しご自身に合った食事療法を実践しましょう。
「尿蛋白」の異常で考えられる病気
「尿蛋白」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
代謝内分泌系の病気
膠原病系の病気
- 膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血管炎など)
腎泌尿器系の病気
- 慢性糸球体腎炎
- 急性糸球体腎炎
血液系の病気
その他の病気
- 薬剤性
尿蛋白が出ていることは、腎臓に障害が起こっている状態であると考えられ、注意が必要です。また、尿蛋白の原因はさまざまであり、その原因により治療法は異なります。まず尿蛋白がみられたら、早めに腎臓内科を受診して相談をしましょう。
「尿蛋白」に似ている症状・関連する症状
「尿蛋白」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 体のむくみ
- 尿が泡立つ
- 尿が赤い
尿蛋白が出ていても、症状がないことが多いです。尿が泡立つ時、原因のすべてが尿蛋白ではありません。しかし、尿の泡立ちが尿蛋白の発見につながることもあります。気になる場合には早めに内科を受診して尿検査をしてみましょう。
参考文献