「γ-GTPの数値を戻す食べ物・食生活」はご存知ですか?【医師解説】

γ-GTPの数値を戻す食べ物・食生活とは?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「γ-GTPが高いと出る症状」は?血液検査で指摘された場合の対処法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。
目次 -INDEX-
γ-GTPとは?
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)は、主に肝臓や胆道に存在するタンパク質を分解する酵素です。胆道から分泌され、アミノ酸の代謝に関与しています。肝臓や胆道に異常が起こると、γ-GTPが血液中に漏れ出し、血中のγ-GTP値が上昇します。そのため、γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を知るための重要な指標です。血液検査でγ-GTPが高いと診断されたら?
γ-GTPが高いと診断された場合は、まずその原因を特定することが重要です。医師の診察を受け、必要に応じて追加の検査を行います。具体的には腹部の超音波検査や腹部CT・MRI検査などです。γ-GTP値が高いからといって、必ずしも深刻な病気ということではありません。しかし、放置することで病気が進行する可能性もありますので、早めに医療機関を受診することをお勧めします。γ-GTPの数値を戻す食べ物・食生活
アルコールの摂取量を控える
アルコールは肝臓に負担をかけるため、γ-GTP値を上昇させる大きな原因となります。飲酒する場合は、適量を守りましょう。1日あたりのアルコール摂取の適量は、男性で20g程度、女性で10g程度が目安です。休肝日を設けることも大切です。バランスのいい食事
糖質や脂質の多い食品を避け、タンパク質や食物繊維が豊富な食材を摂取しましょう。タンパク質は加工肉類ではなく、鶏肉や大豆などから摂取することがおすすめです。また、食物繊維はやさいや海藻類、きのこなどから摂取するとよいでしょう。脂質はナッツなどから不飽和脂肪酸を多くとりましょう。なにかに偏ることなく、多くの品目からバランスよく栄養を摂取することがお勧めです。γ-GTPの数値を戻す対策・予防法
適度な運動をする
運動不足は、脂肪肝や肥満の原因となり、γ-GTP値を上昇させる要因となります。適度な運動を習慣化しましょう。正しい対策・対処法については、1日30分程度のウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない運動を継続することです。規則正しい生活習慣を心がける
睡眠不足やストレスは、肝臓の働きを低下させ、γ-GTP値を上昇させる可能性があります。規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスを解消するようにしましょう。 正しい対策・対処法について: 毎日同じ時間に寝起きし、バランスの取れた食事を摂り、リラックスできる時間を作るようにしましょう。「γ-GTPが高いと出る症状」についてよくある質問
ここまでγ-GTPが高いと出る症状について紹介しました。ここでは「γ-GTPが高いと出る症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
γ-GTPの数値が高い状態が続くとどうなりますか?
齋藤 雄佑 医師
γ-GTPの数値が高い状態が続くと、肝臓の細胞が徐々に破壊され、肝機能が低下していきます。脂肪肝や肝炎などの肝臓の病気が進行し、肝硬変や肝臓がんに発展するリスクも高くなります。また、肝機能の低下は、全身の倦怠感や疲労感、食欲不振、黄疸などの症状を引き起こすだけでなく、免疫力の低下や代謝異常にもつながり、様々な病気のリスクを高める可能性があります。
γ-GTPの基準値で危険な数値について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
γ-GTPの基準値は、検査機関や測定方法によって多少異なりますが、一般的には男性で50IU/L以下、女性で30IU/L以下とされています。しかし、基準値内であっても、γ-GTP値が上昇傾向にある場合は注意が必要です。危険な数値としては、一般的に200IU/L以上が挙げられます。この値を超えると、肝硬変や胆道閉塞、膵臓がん、薬物性肝障害などの重篤な病気が疑われます。また、100IU/Lを超える場合でも、他の肝機能検査の値も高い場合は、精密検査が必要となることがあります。γ-GTP値が高い場合は、自己判断で放置せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。