「血液検査でγ-GTPが高い」と診断されたらどうしたらいい?【医師解説】

血液検査でγ-GTPが高いと診断されたら?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「γ-GTPが高いと出る症状」は?血液検査で指摘された場合の対処法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。
目次 -INDEX-
γ-GTPとは?
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)は、主に肝臓や胆道に存在するタンパク質を分解する酵素です。胆道から分泌され、アミノ酸の代謝に関与しています。肝臓や胆道に異常が起こると、γ-GTPが血液中に漏れ出し、血中のγ-GTP値が上昇します。そのため、γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を知るための重要な指標です。血液検査でγ-GTPが高いと診断されたら?
γ-GTPが高いと診断された場合は、まずその原因を特定することが重要です。医師の診察を受け、必要に応じて追加の検査を行います。具体的には腹部の超音波検査や腹部CT・MRI検査などです。γ-GTP値が高いからといって、必ずしも深刻な病気ということではありません。しかし、放置することで病気が進行する可能性もありますので、早めに医療機関を受診することをお勧めします。血液検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果・所見
ここまではγ-GTPが高いと出る症状について基本的なことを紹介しました。血圧検査で再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。血液検査の結果や数値の見方・分類と主な所見
γ-GTPの基準値は、一般的に男性で50IU/L以下、女性で30IU/L以下とされています。しかし、検査機関や測定方法によって基準値が異なる場合があります。血液検査の結果で精密検査が必要な基準と内容
γ-GTP値が100IU/Lを超える場合や、他の肝機能検査の値も高い場合は、精密検査が必要となることがあります。精密検査の内容としては、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などです。検査内容や医療機関によって異なりますが、数千円〜数万円程度の費用がかかります。「血液検査」で発見できる病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「血液検査」に関する病気を紹介します。どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。肝炎
肝臓に炎症が起こる病気です。発症の原因は肝炎ウイルスの感染、アルコール性、薬剤性、自己免疫疾患などです。対処法や治療法は原因に応じた治療です。ウイルス性肝炎の場合は、抗ウイルス薬などを使用します。アルコール性なら禁酒、薬剤性なら原因薬物の除去、自己免疫疾患であれば、免疫を抑える治療を行います。倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状がある場合は、早めに受診しましょう。肝硬変
肝硬変は肝臓が線維化し、硬くなってしまう病気です。慢性肝炎などが進行すると、肝硬変になることがあります。肝硬変発症の原因は慢性肝炎、アルコール性肝障害などです。進行を抑制するために薬物療法や対症療法を行います。倦怠感、食欲不振、腹水、黄疸などの症状がある場合は、早めに受診しましょう。胆嚢炎・胆管炎
胆嚢炎や胆管炎は胆道に炎症が起こる病気です。胆石が原因で起こることが多いとされています。発症の原因は胆石、細菌感染などです。治療法は、抗菌薬の投与や、場合により手術を行う場合もあります。右上腹部痛、発熱、黄疸、意識障害などの症状がある場合は、早めに受診しましょう。膵炎
膵炎は膵臓に炎症が起こる病気です。多くはアルコール、胆石などが原因で起こりますが、高脂血症、胆管や膵管の検査の後に起こる場合もあります。治療法は、絶食、輸液、鎮痛剤投与などです。重症の場合は、全身管理が必要な場合もあります。上腹部痛、背部痛、吐き気、嘔吐などの症状がある場合は、早めに内科を受診しましょう。脂質異常症・糖尿病
脂質異常症や糖尿病などの代謝性疾患は血液検査で発見できる病気です。血糖値や血中のコレステロール値が上がります。発症の原因は食生活の乱れや運動不足、遺伝的要因などがあります。健康診断で指摘された場合や、自覚症状がある場合は内科受診しましょう。「γ-GTPが高いと出る症状」についてよくある質問
ここまでγ-GTPが高いと出る症状について紹介しました。ここでは「γ-GTPが高いと出る症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
γ-GTPの数値が高い状態が続くとどうなりますか?
齋藤 雄佑 医師
γ-GTPの数値が高い状態が続くと、肝臓の細胞が徐々に破壊され、肝機能が低下していきます。脂肪肝や肝炎などの肝臓の病気が進行し、肝硬変や肝臓がんに発展するリスクも高くなります。また、肝機能の低下は、全身の倦怠感や疲労感、食欲不振、黄疸などの症状を引き起こすだけでなく、免疫力の低下や代謝異常にもつながり、様々な病気のリスクを高める可能性があります。
γ-GTPの基準値で危険な数値について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
γ-GTPの基準値は、検査機関や測定方法によって多少異なりますが、一般的には男性で50IU/L以下、女性で30IU/L以下とされています。しかし、基準値内であっても、γ-GTP値が上昇傾向にある場合は注意が必要です。危険な数値としては、一般的に200IU/L以上が挙げられます。この値を超えると、肝硬変や胆道閉塞、膵臓がん、薬物性肝障害などの重篤な病気が疑われます。また、100IU/Lを超える場合でも、他の肝機能検査の値も高い場合は、精密検査が必要となることがあります。γ-GTP値が高い場合は、自己判断で放置せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。