「人間ドックの前日」に運動・薬の服用・性行為は問題ない?医師が徹底解説!
人間ドック前日の食事やお酒・運動はどうすべき?Medical DOC監修医が健診・人間ドックで正しい診断結果を得るための前日の過ごし方と注意点を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「人間ドックの前日」に食事・飲酒・性行為はしてもいいの?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
木下 康平(医師)
防衛医科大学校卒業
聖マリアンナ医科大学病院呼吸器内科にて専門研修
自衛隊病院にて呼吸器内科・一般内科診療に従事
資格:内科認定医、呼吸器内科専門医
目次 -INDEX-
人間ドックの前日の運動や煙草など気をつけたいポイント・注意事項
人間ドックの前日に気をつけてほしいポイントがいくつかありますので、以下にご紹介します。
人間ドックの前日は運動・スポーツをしてもいい?
前日の運動は禁止しませんが、激しい運動や強度の高い筋力トレーニング(筋トレ)は避けることをお勧めいたします。
検査結果に影響が出る可能性があるためです。とくにCKという値が増加する可能性があります。これは横紋筋融解症という病気の際に悪化する検査結果であり、検査結果によっては緊急入院が必要と判断される可能性があります。
また、激しい筋トレによって血中のクレアチニン値が高く検出されることもあります。クレアチニン値は通常、腎機能の評価に使用される検査項目ですが、検査結果によっては再検査、腎機能の精査が必要と判断される場合もあります。
軽いジョギング程度なら問題ないですが、できるだけ検査前日は安静にすることをおすすめいたします。
人間ドックの前日の喫煙・煙草は吸ってもいい?
喫煙は前日から禁止されていることが多いです。
タバコに含まれているニコチンにより、検査結果に影響がある可能性があります。
とくにニコチンは血圧を上げる作用があるため、高血圧と誤診される可能性があります。
人間ドックの前日の薬の服用について・睡眠薬や胃薬は飲んでもいい?
内服薬の種類によりますが問題ないことがほとんどです。
ただしビタミン剤の薬、サプリメントは尿検査で異常が出ることがあります。
中断できるかどうか主治医に相談することをお勧めいたします。
また、健康診断の際には飲んでいる内服薬がわかるようにお薬手帳を持っていくことをお勧めいたします。
もし、健康診断で異常値を認めて二次検査に行く場合にもお薬手帳は忘れずに持っていくようにしてください。
人間ドックの前日の性行為は問題ない?
厳密に制限するものではないと考えます。
ただし、尿検査や血液検査で異常値が出る可能性も完全には否定できません。
そのため前日の性行為は、可能であれば控えた方が無難と言えます。
「人間ドック」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「人間ドック」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
人間ドック前日の食事や飲み物は検査結果に影響しますか?
木下 康平(医師)
指定されている食事時間を守れば影響はほとんどないと考えます。
飲み物は指定された時間以降にジュースなどを飲むと、血糖値が正確に分からない可能性があります。高い血糖値が検査結果として出ると、糖尿病の疑いで二次検査を受ける必要があります。
人間ドック前日は何を食べるのがよいですか?
木下 康平(医師)
消化の良いものを摂ることをお勧めいたします。特に海藻類、キノコ類は避けるようお勧めいたします。これらの食材は消化しづらく、消化管の中に残りやすいためです。
人間ドック前日は絶食ですか?
木下 康平(医師)
21時まで食事可能であることがほとんどです。ただし、最終の食事時間に関しては人間ドックを行う施設の基準に従うようにしてください。
人間ドックの前日は少量ならお酒を飲んでも大丈夫ですか?
木下 康平(医師)
禁止するものではありませんが、控えることをお勧めいたします。
飲むにしても21時以降は控えることをお勧めいたします。飲酒によって、前項でも解説した肝機能異常の検査結果となる可能性があります。
人間ドックの前の日は21時までならタバコを吸っても大丈夫ですか?
木下 康平(医師)
施設によりますが前日の喫煙は控えることをお勧めいたします。21時まで喫煙が可能かに関しては、人間ドックを受ける施設に確認することをお勧めいたします。
まとめ 「人間ドックの前日」は飲酒、喫煙は控えよう!
今回は、人間ドックの前日に気を付けるべきことに関して、解説いたしました。
検査結果に影響を与えないように飲酒や喫煙は控える必要はありますが、基本的には通常通りの生活を行なっていただいて問題ありません。
特別に構えず普段通りの状態で受診した上で、病気を早期発見することが重要です。気軽に人間ドックを受けていただき、病気の早期発見、早期治療を心がけましょう。
参考文献