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【闘病】激しい疲れは『加齢のせい』ではなかった… 難病「自己免疫性肝炎」

 公開日:2025/02/26

仕事と育児を両立させながら、多忙な日々を過ごしていたMAOさん(仮称)。ある日、かかりつけのクリニックで「すぐに大きな病院へ行くように」と告げられます。検査の結果は「自己免疫性肝炎」。「病気のせいで変わってしまったことも多いけれど、それでも前を向いて生きていきたい」と話すMAOさんに、診断に至るまでの経緯や治療の苦労、そして病気との向き合い方について聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年1月取材。

MAOさん

体験者プロフィール
MAOさん(仮称)

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愛知県在住、生まれは1970年代。家族構成(小学生の子ども2人。現在は夫と別居し母と4人暮らし)。診断時の職業は会社員。平成31年に自己免疫性肝炎を発症。標準治療のプレドニンによる治療効果が認められず、2回の再燃と数々の激しい副作用に苦しむ。双極性障害による気分の浮き沈みに現在も悩みながら、家族のサポートのもと日々育児や家事に奮闘し、社会復帰を目指している。

編集部編集部

いつごろから前兆はありましたか?

MAOさんMAOさん

子どもの小学校入学を機に8年ぶりのフルタイム勤務を始めて、半年ほどの事でした。少しでも早く仕事を覚えようと残業や休日出勤をしつつ、育児と家事を頑張り、疲労が蓄積していました。当時「絶対に体調は崩せない」と、サプリメントや強めの栄養ドリンクを複数種類摂取していました。

編集部編集部

最初の症状はどのようなものでしたか?

MAOさんMAOさん

診断の2か月くらい前から、足がムズムズしたり、全身がかゆくて眠れなくなったり、お酒やお肉が以前よりおいしく感じなくなったりしました。やがて休日は起き上がれず、1日中寝ている日も増えました。「あちこちガタが来て、これが加齢というものか」と、同じ年代の同僚と笑い話にするぐらい軽く考えていました。そのうち、夜に発熱して朝は解熱する、常に胃がむかむかする、尿の色が濃い、そんな日々が続きましたが「疲れによる風邪かな?」と軽い気持ちでいました。

編集部編集部

その後、病院は受診されましたか?

MAOさんMAOさん

最初に受診したのはかかりつけのクリニックでした。入室した私の顔を見るなり、先生に「すぐに別室で検査を」と言われました。白目がカレー粉で染まったように真っ黄色だったそうで、とてもびっくりしましたね。

編集部編集部

検査結果はどうでしたか?

MAOさんMAOさん

半日かけて検査し、「このまま自宅に帰らず、1秒でも早く大きな病院を受診してください」と言われ、頭が真っ白になりました。紹介された病院では「血液検査の結果、AST、ALTともに立っているのが不思議なくらいの高値です。肝炎を考えますが、詳しく検査します。おそらく2週間くらいの入院です」と言われました。

編集部編集部

入院してからの検査はどうでしたか?

MAOさんMAOさん

入院して2週間ほどは、血液検査をしながら経過観察していました。やがて肝生検を受けましたが、はっきりとしたことがわからず、疑い病名として「自己免疫性肝炎」と告げられました。

編集部編集部

そのときどのような心境でしたか?

MAOさんMAOさん

まさに青天の霹靂でした。念願の再就職を果たし、職場の人間関係にも恵まれ、家族旅行をしたり、自分の時間も作れたり、これから充実した日々が始まると思っていた矢先の出来事でした。絶望の淵に突き落とされた気分でした。何より、まさか自分が難病にかかるとは思いもしませんでした。最初はただの胃腸風邪だと思っていましたから(笑)。

編集部編集部

ご主人やご両親の反応はどうでしたか?

MAOさんMAOさん

夫は、子どもたちに動揺を与えないよう、努めて冷静にふるまおうとしていました。実母は取り乱して病院にすぐ駆けつけてくれましたね。どちらにも感謝しています。

編集部編集部

お子さんたちの反応はどうでしたか?

MAOさんMAOさん

子どもたちは突然の入院について、意外と「やっぱりね」という反応だったらしく、私のほうがびっくりしてしまいました。当時9歳だった長男は「だって、お母さんの目はずっと黄色かったし、いつも滅茶苦茶頑張ってしんどそうだったから、心配していた」と意外と冷静でした。案外自分より周囲のほうが見えていることもあるのかも知れないと感じました。

編集部編集部

職場や友人の反応はどうでしたか?

MAOさんMAOさん

友人や仕事関係の知人はみな明るく接してくれていましたが、病気が長引いていくにつれ、気遣ってそっとしておいてくださる方が多くなったように思います。

編集部編集部

治療の内容を教えてください。

MAOさんMAOさん

まず、プレドニンの内服により、肝臓を攻撃する異常な免疫反応を最小限まで下げることになりました。約2か月後にはAST、ALTの数値が下がり、退院することができ、復職もしました。この時にイムランの投与を勧められることもありました。当時はプレドニンの副作用が一番苦しい時期で、そうこうしているうちに再燃が起こりました。

編集部編集部

再燃してからはどのような治療をおこないましたか?

MAOさんMAOさん

「そもそも本当に自己免疫性肝炎なのか?」という疑問が湧いていたため、セカンドオピニオンを受け、今の主治医の病院に転院しました。再び肝生検を受けたところ、「薬剤起因性自己免疫性肝炎」と診断され、また副作用のひどさ(精神障害が深刻だった)からプレドニンの減薬期間を通常より早め(2年程度)ながらゼロにし、今はイムランを主薬にスイッチしての治療を受けています。

編集部編集部

これまで治療にはどのような薬を使いましたか?

MAOさんMAOさん

当初はプレドニンとウルソをメインに、副作用対策としてサムチレール(肺炎予防)、ボナロン(骨粗しょう症予防)、ネキシウム(胃腸薬)、クエチアピン(不眠改善)、エビリファイ(不安改善)などが使われました。

編集部編集部

現在の治療はどのような薬を?

MAOさんMAOさん

現在は、私には効果が乏しいと思われるプレドニンはゼロとなり、イムランとウルソの服用で肝機能については安定しています。

編集部編集部

治療による副作用はありましたか?

MAOさんMAOさん

副作用に悩まされ続けた闘病生活といっても過言ではありません。プレドニンを服用し始めて2~3週間ほどで、むくみ、脱毛、不眠、躁鬱症状が始まりました。その後、味覚障害、歯周病・口内炎、嚥下障害、見た目の激変、血糖値とコレステロール値の上昇、骨密度の低下、のぼせ、手足や腕のしびれなど、さまざまな副作用が起こりました。双極性障害も患うことになってしまいました。また、体質に合わない薬があったため薬疹で苦しみ、首から背中・胸にかけて、まだら模様が残ってしまったのも、女性としてつらい出来事でした。

(後編)【闘病】「自己免疫性疾患」の治療で多くの副作用に悩まされる日々

梅村 将成

記事監修医師
梅村 将成
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

※この記事はメディカルドックにて《【体験談】足のムズムズや身体の痒みが「難病」の始まりだった《自己免疫性肝炎》》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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