【闘病】「ステージIVの乳がん」から帰還した元客室乗務員 転移は骨にもあった
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年8月取材。
体験者プロフィール:
井出 久日子
東京都江東区在住、1976年生まれ。夫、ビーグル犬2匹とともに暮らす。診断時の職業は航空会社の会社員、元客室乗務員。不妊治療中に乳がんの告知を受け治療を開始。抗がん剤治療をおこなった後、右乳房部分切除術を受ける。現在は再発予防のために3週間ごとに分子標的薬の治療を継続している。現在はゴルフができるくらいまで体力が回復し、週に1度コースを回っているとのこと。30代後半は治療に専念した分、これからの人生はおしゃれをして女性としての人生を精一杯エンジョイしたいという目標をもっている。
記事監修医師:
楯 直晃(宮本内科小児科医院 副院長)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
編集部
乳がんを発症したということですが、検診は受けていたのですか?
井出さん
30歳を過ぎてから、乳がん検診は定期的に受けていました。発覚の5ヶ月前にも検診を受けており、そのときは異常なしの結果でした。
編集部
その後、どのように乳がんが発覚したのか教えてください。
井出さん
ある朝、寝起きにベッドでふと自分の胸を触り、異変に気づきました。当時不妊治療をしていて、2日後に体外受精で受精卵を移植する予定という段階で、乳がんの告知を受けました。当初はステージIIbという診断でしたね。その後、胸椎や頭蓋骨への転移がわかり、ステージIVと再度告知されました。
編集部
不妊治療は中止されたのですか?
井出さん
元気になって出産できる可能性もあったので、告知を受けた後、抗がん剤治療を開始する前に受精卵の凍結をしました。
編集部
乳がんはどのような治療をおこなったのですか?
井出さん
まずは抗がん剤での治療を行いました。人より長い期間、抗がん剤治療を続けたところ、右胸とリンパにあったがんが消えました。しかし、その後胸椎、頭蓋骨への転移が判明し、胸の全摘か温存かの手術方法について検討する際に、主治医の説明が二転三転し、コミュニケーションも円滑に進まなかったため、告知から1年経過した段階でセカンドオピニオンを受けました。
編集部
セカンドオピニオンはどのような内容だったのですか?
井出さん
今の主治医となる医師は、「骨に転移しているということは、全身に転移しているということ。胸を全て切除するよりは、がんがあった部分を早急に取って、放射線をその部分に当てた方がいい」ということでした。結局、温存手術を選び、放射線治療をすることになりました。
編集部
病気が判明したときの心境について教えてください。
井出さん
当時不妊治療中だったので、がんになったショックより、「子どもが産めなくなる、諦めなくてはいけない」という事実の方がショックでした。
編集部
発症後、生活にどのような変化がありましたか?
井出さん
手術前の1年間は、抗がん剤治療だったので食生活を改善しました。好きなアルコールも週に1回飲む程度となり、おかげで18kg痩せました。
編集部
治療中の心の支えはなんでしたか?
井出さん
→(後編)【闘病】乳がんを罹患し、勉強して知った正しい医療情報と標準治療の大切さ
※この記事はMedical DOCにて《【闘病】ステージIVの乳がんから生還した元キャビンアテンダント》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。