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【闘病】乳房の茶色いしみに気付くも「しこりではない」と放置した結果…《乳がん》

 公開日:2024/12/31

2013年、右乳房に小さな茶色のしみを見つけたIZUMIさん(仮称)。痛みや痒みがなかったため特に気にせず過ごしていましたが、2カ月後に突然の腫れと痛みが現れ、病院で検査を受けることに。そこで「乳がん」と診断され、手術や化学療法を受ける日々が始まりました。病気の発覚から治療、生活の変化まで、IZUMIさんがどのように病と向き合ってきたのかを聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年10月取材。

IZUMIさん

体験者プロフィール
IZUMIさん(仮称)

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1972年生まれ、埼玉県。母と愛犬と暮らしている。2013年8月に乳がんが発覚し、手術や化学療法を受ける。2016年2月には乳房再建手術、2023年7月には右上肢リンパ浮腫の治療のためリンパ管静脈吻合術を受ける。また、2020年2月、子宮頸部上皮内がん発覚の為、子宮頸部円錐切除術を行なった。診断時の職業は司会業。

寺田 満雄

記事監修医師
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

小さなしみがある日突然痛みや腫れを伴うように

小さなしみがある日突然痛みや腫れを伴うように

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

IZUMIさんIZUMIさん

2013年6月ごろに右乳房に小さな茶色のしみがあることに気がつきました。5mm程度のとても小さなしみでしたし、肌が弱いほうなので「何かにかぶれてしまったのかな」と思いました。茶色のしみは少しずつ大きくなっていきましたが、触ってもしこりのようなものはなく、痛みも痒みもないので気にしないように過ごしていたつもりでした。今考えると、逆に気にし過ぎて知らず知らずのうちに触ってしまっていたのかもしれません。

編集部編集部

その後、どのような変化が起こりましたか?

IZUMIさんIZUMIさん

最初に気付いてから二カ月ほど経った8月の半ばごろ、突然乳房に痛みが起きて熱を持ち始め、1.5倍ほど赤く腫れてしまいました。しみは1~1.5cmになっていたと思います。乳がんの知識として私が知っていたのは、「痛みはない」「触るとしこりがある」「乳頭の位置に左右差が見られる」でしたので、乳がんだとは微塵も思いませんでした。看護師の姉に連絡すると「すぐに病院に行きなさい」と言われ、自宅近くでマンモグラフィ検査を受けられる病院を検索し、受診しました。

編集部編集部

病院ではそのような検査をされたのでしょうか?

IZUMIさんIZUMIさん

その日に受診可能な検査はすべて受けさせてもらいました。具体的には、血液検査・マンモグラフィ検査・細胞診です。この時の検査結果から「乳がんである可能性がとても高い」と言われました。それから追加でマンモトーム生検を受け、8月終わりに「乳がん」と確定診断を受けました。

編集部編集部

自覚症状などはあったのでしょうか?

IZUMIさんIZUMIさん

私の場合は最初の茶色いしみ、それから熱感、赤く腫れあがる、痛みでした。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

IZUMIさんIZUMIさん

右乳房全摘出手術をします」と言われました。手術を受けた後、腫瘍の状態や病理検査の結果について「腫瘍の大きさが4cm、腋窩リンパ節への転移あり、ステージはⅡB」と説明を受けました。「HER2陽性、ホルモン受容体陽性だったので、抗がん剤とハーセプチン、ホルモン剤で再発予防をしていきましょう」とも言われました。化学療法がスタートして、副作用があまりにも酷く身体中の痛みと痺れが続いてしまったので、ハーセプチンは2回ほど受けて中止してしまいました。

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

IZUMIさんIZUMIさん

判明した当初は、病気のことを考える時間はなかったです。痛みなどの症状が出たのが8月18日、確定診断が下りたのは8月30日、手術は9月5日で、あっという間の日々でした。また私は個人事業主なので、仕事関係で入院前にやっておかなければならないことを処理するだけでいっぱいだったと記憶しています。

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

IZUMIさんIZUMIさん

腋窩リンパ節郭清をしているので、リンパ浮腫を発症しないように気をつけてはいたのですが、発症してしまいできないことが増えてしまいました。例えば、磨く・擦るといった動きで浮腫みが悪化するので、掃除全般が苦手になり、ドライヤーをするにもすぐに腕がダルくなってしまうので、ショートヘアにしました。あとは、締めつけ感のある服を着用すると浮腫みが悪化するので、見た目の可愛さやお洒落ではなく軽い鞄やゆったりした服を選ぶようになりました。病気の前後でライフスタイルがガラリと変わり、天地がひっくり返るってこういうことなんだと実感しました。

(後編)【闘病】「抗がん剤治療が人生で最も苦しかった」からこそ感じる身体の声を聴く重要性

※この記事はMedical DOCにて《【闘病】40代で乳がん発覚。乳房の茶色いしみに気付くも「しこりではない」と放置した結果…》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師