「矯正器具が外れたor壊れた」どうしたらいい? 自宅でできる応急処置と歯科受診のタイミング【医師解説】

矯正治療中に、矯正器具が「外れた」「壊れた」という経験をした人は、意外と少なくありません。矯正器具の脱離・破損は治療期間の延長につながることもあるため、適切な予防と対処が必要です。矯正器具が外れた・壊れた際の正しい対処法や受診のタイミングについて「日本橋ひびき矯正歯科」の小泉先生に解説していただきました。

監修歯科医師:
小泉 響子(日本橋ひびき矯正歯科)
編集部
矯正器具が外れた、あるいは壊れた場合、どのぐらいの期間内に歯科医院を受診するのが望ましいでしょうか?
小泉先生
矯正器具が外れた、あるいは壊れたことに気づいた時点で、まずは歯科医院に連絡して担当医の指示を仰ぐことが大切です。遅くとも、1週間以内にはご連絡いただきたいと思います。担当医が状況を確認し、影響が大きいと判断した場合は即日の受診をお願いしますが、軽度な破損であれば次回の予約日まで待っていただくこともあります。自己判断で放置してしまうと、治療経過に影響が出たり、治療期間が長引いたりする可能性があるため、必ず歯科医院に連絡するようにしてください。
編集部
次回の来院まで期間が空いている場合、自宅でできる応急処置はありますか?
小泉先生
こちらも、まずは担当医にご連絡していただくことが前提になります。そのうえで、外れたり壊れたりした矯正器具(ワイヤー・ブラケットなど)が口内に当たって痛い場合は、あらかじめお渡ししている矯正用ワックスで保護してください。お手元にワックスがない場合は、清潔なガーゼなどで一時的に保護し、早めに受診することをおすすめします。
編集部
マウスピース型矯正装置(アライナー)が壊れた場合は、どのように対応したらいいでしょうか?
小泉先生
アライナーの破損に関しても、まずは担当医への相談が重要です。すぐに来院できない場合は1つ前か、もしくは1つ後ろのアライナーを使用していただくことがあります。ただし、適切な対処法はアライナーの使用期間や状況によって異なるため、自己判断で使用せず、必ず担当医の指示に従うようにしてください。
編集部
自宅で応急処置をする際の注意点や、やってはいけないことを教えてください。
小泉先生
痛いからといって自分で矯正器具に触れたり、ワイヤーを切ったり外したりするのは大変危険です。また、ブラケットが外れた際に、市販の瞬間接着剤でつけ直そうとする人もいらっしゃいますが、そのようなことも絶対にしないでください。アライナーが破損した場合も同様に、自分で修理するのは避けましょう。繰り返しになりますが、装置が外れたり壊れたりしたら必ず歯科医院に連絡し、担当医からの指示を受けたうえで対処するようにしてください。
※この記事はメディカルドックにて<矯正歯科治療中に器具が外れた・壊れたときの応急処置と受診のタイミングを歯科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。



